2020年もまもなく終わり。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で世界各国のツアーの中止が相次ぎ、渋野日向子は国内6試合、海外7試合の出場にとどまった。
例年よりも少ない試合数ではあったが、そんななかでも多くの名場面が生まれた。そこで渋野の印象に残ったシーンをカメラマンがチョイス。今回は米山聡明カメラマンが、「伊藤園レディス」で垣間見た表情を振り返る。
約2カ月にわたる海外転戦を終えて、10月に日本ツアーに復帰した渋野日向子だったが、「樋口久子 三菱電機レディス」では予選落ち。さらに「TOTOジャパンクラシック」を30位タイで終えると、「5点ぐらい」と厳しい評価を下していた。そんななか迎えたのが伊藤園レディスだった。

初日を20位タイで終えると、2日目もなかなか調子が上がらない。出だしの1番でボギーが先行と、見ている我々ももどかしくなるような流れだったが、時折白い歯も見せていた。「とても渋野さんらしい自然体の笑顔でした」(米山カメラマン)。飾らない、英国でも愛された表情がそこにはあった。
結局この大会は23位に終わったが、バースデーウイークに今季国内では初となる予選通過を果たした。さらに次戦の「大王製紙エリエールレディス」で5位に入ると、国内最終戦「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」では3位タイ。
そして海外メジャー「全米女子オープン」で4位と、ここから一気に調子を上げて成績につなげた。「今思えば急上昇する片りんを見せていたのだと思います。笑顔が調子と運を引き寄せたのではないでしょうか」。まさに笑う門には福来るといったシーンだった。