“球質”が安定 原英莉花のドライバーショット【連続写真】
今回の主役は、20年に国内メジャー2勝を挙げ、大きく飛躍を遂げた原英莉花。「日本女子オープン」では3日目に首位に立つと、最終日も攻めの姿勢を貫き、2位の小祝さくらには4打差、3位の上田桃子には8打差をつけて勝ちきった。また、「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」では、「今週は本当にショットが悪い」と言いながらも、ショートゲームで粘って優勝。
ジエも原については「安定感」をポイントに挙げる。「原さんは本当にパワーがあって飛ぶ選手ということは、みなさんもよくご存じだと思います。昨年は彼女と一緒にラウンドする機会はありませんでしたが、プレーが安定しているなと私は感じました。素晴らしい先生(ジャンボ尾崎)のもとで長く指導を受けて成長し、安定感も抜群に伸びています」とジエは評価する。
原の安定感は数字にも表れている。
では具体的に原のプレーの何が安定しているのだろうか。「私は“球質”が安定していると感じています。スイングのリズムやタイミングが良くないと、球質は安定しません。
ちなみにジエの今シーズンのダブルボギーの数は1つだけ。もちろんトリプルボギー以上はない。ダブルボギー率は0.2415で、414ホールに1度だけダブルボギーを打つという驚異的な数字になる。
最後にジエだからこそ知る原の意外な一面について聞いてみた。「こういうことを言うと、自分がおばさんみたいで嫌なのですが」と切り出したジエ。「コースのなかでは、原さんをはじめとする若い選手たちはプロとして一生懸命頑張っていて、その姿はすごくカッコイイんです。でもラウンドが終わった後、クラブハウスや練習場で会う彼女たちの姿は、みんな本当にカワイイと思います…。
申ジエ(しん・じえ)
1988年4月28日生まれ、韓国全羅道出身、スリーボンド所属。155センチという身長で母国韓国、そして米国の賞金女王に輝いたジエが、日本ツアーを主戦場に移したのが2014年。「温かい人間味を感じる国でやってみたい」というのが理由で、本格参戦後は元世界ランク1位の名に違わぬ実力でカップを積み重ねている。また、たびたび児童施設に寄付するなど人格者としても後輩たちの良い手本に。米ツアー時代は最終日に無類の強さを発揮することから“Final Round Queen”と呼ばれており、日曜日の強さは日本になっても変わることはない。