20日に開幕する男子メジャー、「全米プロゴルフ選手権」(米サウスカロライナ州)を主催するPGA・オブ・アメリカ(全米プロゴルフ協会)は15日、1日1万人を上限に入場する観客に「昨今のCDC(米国疾病管理予防センター)の示した指針に従い、屋外でのマスク着用は推奨するが義務とはしない」と規制緩和を発表した。
CDCは4月28日に「ワクチン接種が済んだ人は屋外でのマスクは不要」とし、5月13日には「屋内外を問わず、マスク着用はしなくてもいい」という新たな指針を示した。
ただし、バスや飛行機、人が集まった屋内では引き続きマスク着用を求めることを発表。これに従いPGA・オブ・アメリカは屋外に限って観客へのマスク着用を緩和。ただし「ワクチン接種を完了しているかを確認するには時間が足りない」としてレストラン、シャトルバスなどの屋内ではマスク着用を義務とした。
現在の米PGAツアーでは毎週、人数制限のもと1日1万人前後がコースに入場している。各トーナメントのホームページでは「マスク着用が義務」と書かれ、コース内でも「マスク着用」というサインが出ているが、ほとんどの観客、さらにボランティアもマスクをしていないのが現状だ。
規制は州によるが、今週の「AT&Tバイロン・ネルソン」が開催されているテキサス州はいち早くマスクの義務化を解除した州で、マーケットなどの店内はマスク着用を求められるが、屋外やレストランはほぼ日常を取り戻している。
ワクチン接種が進んでいるせいか、新型コロナウイルスの感染者は1日2000人程度で、2月の10分の1まで減少した。
バイデン米大統領はワクチン接種を進めるためにCDCのガイダンスを支持。「アメリカにとって素晴らしい日」とマスク不要を歓迎している。(文・武川玲子=米国在住)