<中京テレビ・ブリヂストンレディスオープン 2日目◇22日◇中京ゴルフ倶楽部 石野コース(愛知県)◇6486ヤード・パー72>
4月の「オーガスタナショナル女子アマチュア選手権」を制したアマチュアの梶谷翼(兵庫・滝川第二高3年)だったが、帰国後初となったプロトーナメントは苦い結果に終わった。2バーディ・1ボギー・1ダブルボギーの1オーバー・70位タイで、カットラインに1打及ばず予選落ちとなった。

「目標スコアは5アンダー。コースの状態、調子を考えるといいゴルフができました。運がなかったかなと思うところも何カ所かありました」。大きな注目を集めたラウンドでは、納得のいくプレーもできたが、結果には結びつかなかった。
1アンダーで迎えた終盤の16番パー5では、こんな“不運”に見舞われた。やや左に飛んだティショットだったが、着弾したのが「クラブがやっと通るくらい」という岩の間。
普通にアドレスすることすらも困難で、右足をその岩に乗せてのショットを強いられた。「ボギーでもいいとアンプレヤブルすればよかった。その考えがなくて。もう少し冷静にプレーできればよかったですね」。アクシデントに戸惑うなかでの1回目のスイングは、クラブが岩に当たり空振り。2度目で脱出に成功したものの、ここをダブルボギーとして予選通過圏内から陥落した。

本来であれば前日行われるはずだった第1ラウンドだったが、悪天候のため初日が中止になり、繰り越しとなった。さらに大会は36ホールの短縮競技に。1日で60位タイまでの決勝進出者が決まることになり、「2日間やりたかったですね」という本音もこぼれる。しかし、その一日では今後の糧になる、プロの“すごすぎる”プレーを目の当たりにすることもできた。
同伴競技者の稲見萌寧が、ツアー記録を更新する1日13バーディを奪うなど、圧巻のプレーを目の前で続けた。「ショットも寄るし、パターも入る。
飲み込まれないように、自分のゴルフができればと思った。間近で日本のトッププロのプレーを見ることができて楽しかったですね」。そして、「自分もこんなゴルフができたらいいなと思いました」と目に焼き付けた。
この後は、オーガスタ女子アマ優勝で権利を得た、海外メジャー「全米女子オープン」(6月3~6日)出場のため、再び米国に渡る。「きょうのゴルフはよかった。そのままの気持ち、調子で行けたらいいですね。
頑張って期待に応えたいと思います」。今年、日本女子プロゴルフ協会のプロテストを控える高校3年生が、この濃密な時間をそのまま力に変えていく。(文・間宮輝憲)