<三井住友VISA太平洋マスターズ 初日◇11日◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡県)◇7262ヤード・パー70>
世界基準の飛距離を持つ男は、世界基準のコースがよく似合う。今季のドライビングディスタンス313・3ヤードで1位につける幡地隆寛が、1イーグル・4バーディ・3ボギーの「67」、3アンダーの首位タイで発進した。

幡地隆寛は188cmだけど…パターはこんなに短い?【写真】
インの10番から出た幡地は5番までに3つのバーディを奪うと、名物の18番パー5は飛ばし屋らしいイーグルを見せた。フォローの風にも乗り、ドライバーショットは310ヤード以上先まで飛ばす。ピンまで169ヤードの2打目をピッチングウェッジで4メートルにつけて流し込んだ。「終わり方がよくなかった」と6、7、8番の3連続ボギーには肩を落としたが、プロ7年目の男が今年の「バンテリン東海クラシック」の初日以来の首位スタートとなった。
日本を代表するコースが肌に合っているのかもしれない。2018年に松山英樹監修、世界的な名設計家のリース・ジョーンズ氏により改修が行われ、“国際水準のトーナメントコース”として生まれ変わった。
「ティイングエリアから考えさせる」ことが一つのコンセプト。多くの選手は「戦略的ではあるが、ティイングエリアからのプレッシャーが少なくなった」と話しており、同年の優勝者は、ドライビングディスタンス1位を5度獲得する稀代の飛ばし屋、額賀辰徳。「攻めやすくなった、好印象」と飛距離を武器に初優勝を遂げた。
額賀の次代の飛ばし屋、幡地もドライバーの振りやすさを感じている。日本の多くのコースでは、幡地の飛距離では着弾地点が狭くなっていることが多い。「ドライバーを気兼ねなく振れることがほとんどないコースが多い。
ここだと3~4ホールある」。気軽に振れるホールが少ないと、スイングのイメージが悪くなり、不安を感じてしまうという。飛ばし屋だけに得意クラブはドライバー。「ドライバーが悪いと他のクラブにも影響が出る。ドライバーがいいと他もいいイメージになる」とスイングもショットも好感触でラウンドできた。
「今週はボールコントロールができています。
今日はバーディチャンスが少ない中、入れごろ外しごろが入ってくれた。もう少し近くに寄せられれば、もっと余裕のあるトップを狙えると思います」。学生時代は松山英樹にもその飛距離を認められた逸材。今季はトップ10入り3回など、賞金ランキングは44位で初シードを確定させている。狙うは初優勝だ。(文・小高拓)


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