<ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン 事前情報◇18日◇利府ゴルフ倶楽部(6,498ヤード・パー72)>
 昨年3月11日の東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県で開催される、「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」。被災地での開催ということもあり東日本大震災復興支援を掲げて開催する今大会。
そのシンボル的な存在が今年プロテストに合格したルーキーの岸部桃子だ。
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 2011年3月11日。当時福島県の富岡高校3年生だった岸部は、学校の授業中に地震に遭った。学校の校庭に避難した後、坂道を下って富岡駅に向かうと、津波で街も駅も流されてしまっていた。津波を逃れ学校で一夜を過ごしたものの、今度は福島第一原発の事故が発生。福島第一原発と第二原発の間にあった富岡高校は計画的避難地域に指定され、岸部は川内村の体育館に避難。
実家のあるいわき市にいた家族は無事で、迎えにきた親と再会できたがそれでも家に帰れたのはその翌日の夜だった。
 その後、富岡高校では学校生活を送ることは出来ず、生徒は福島県内の4か所と静岡県の計5か所にサテライト校という形で分散。震災から1年がたった今年の3月に卒業した。それでも、被災者として苦しい時期を過ごしながら、7月に行われたプロテストで一発合格。そして、あの3・11から約1年半が経った「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」でプロデビューを迎える。
 岸部は先週のステップアップツアー「山陽新聞レディースカップ」に出場し、トータル9オーバーの60位タイ。
プロとしてのレギュラーツアーは今大会が初となるが、「今の力では通用しないとは思っています。ただ、今年はプロゴルファーとして出場するので、胸を張ってプレーをしたいと思います。そして、プロとしてのこれからの世界をしっかり見ていきたいと思います」と今はしっかりと足元を見据えている。
 今大会は3年連続の出場。「一昨年は初めてプロの試合にださせてもらった思い出の大会。去年は震災があって富岡高校のみんなや、被災した人達に頑張っている姿を見てもらいたい思いがいっぱいでした。
そして、今年は自分がどのくらい変わることが出来たのか実感したい。楽しみです」。
 「東北での試合に推薦で出場させてもらって嬉しいです。復興にむけて、1人1人が頑張って、1つの力になればいいと思います。そして自分も頑張ってその力になりたい」。被災者・岸部の1打1打は被災した人々への勇気、希望になっていく。


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