東電設計、東京電力ホールディング(以下、東電HD)および東京電力パワーグリッド(以下、東電PG)の3社による共同事業体(以下、同JV)は、独立行政法人国際協力機構(以下、JICA)より、「モンゴル国再生可能エネルギー導入拡大に向けた電力系統安定化プロジェクトを本年6月1日に受託し、6月23日、現地で本格的に開始したと発表した。

同プロジェクトは、モンゴル国政府が電力実施機関の系統計画・運用能力向上を企図して、日本国政府に要請したものであるという。


モンゴル国における再生可能エネルギー(以下、再エネ)導入拡大のためには、系統運用の効率化や系統安定化対策を含む送電線増強、電力系統のスマート化を強化する必要があるとのことだ。

同JVは、約3年をかけて、給電指令や送配電系統の計画・運用に関する課題への対策立案、配電における再エネ導入拡大などの能力向上を支援するとしている。

モンゴル国政府は2015年に、2030年までのエネルギーセクター中長期目標を定めたエネルギー国家政策を採択し、発電設備容量ベースで再エネ比率を2021年時の約20%から2030年までに30%とする目標を掲げている。

しかし、再エネ普及に向けては、再エネ普及に伴い難易度が増していく発電予測能力や再エネ連系のためのルール・技術要件などのグリッドコードの整備が十分ではないとのことだ。

また、広大な国土を有するモンゴル国において、南部に集中する再エネ電源と需要地を繋ぐ送電線が長距離となり、電圧調整が難しいなどの課題がある。

そのため、日本国内の電気事業や、海外コンサルティング業務で培ってきた設備計画および設計・系統運用技術などのノウハウを有する同JVが、JICAを通じて同プロジェクトの実施コンサルタントとして選定されたという。


東電設計、東電HDおよび東電PGの3社は、モンゴル国において、再エネの大量導入に資する電力系統の柔軟性と信頼性の確保に貢献するとともに、世界的なカーボンニュートラル社会の実現に向けて取り組んでいくとしている。