大牧)僕らの会社の社員と、フリーランスで『ニッポン手仕事図鑑』の活動に共感してくれるカメラマン、あとは広報やPRをやってくれているスタッフです。
黒木)1人の職人さんは、1人のカメラマンが追いかけるのですか?
大牧)そうですね。ほとんどが1~2日の撮影です。
黒木)『ニッポン手仕事図鑑』を動画メディアで発信しようと思われたきっかけは何ですか?
大牧)伝統工芸ではなくて、それぞれの地域の文化風習を残す仕事をしたいと思っていました。地域ごとの文化や風習は、そこで働く人がつくっているので、そこで働かれている人にフォーカスしたらいいのではないかと思いました。
黒木)地域の活性、また伝統や町を守るということは、そこで働く人たちは人がつくっているわけだから、人にフォーカスを当てようということなのですね。
大牧)そうですね。その地域の産業や特産物は、暮らしている人の誇りです。僕は父親が京都で、母親が長野出身という環境のなかで育ったので、産業が衰退すると、地域への誇りも減ってしまいます。そこを何としても残すお手伝いがしたい。働いている人たちにフォーカスして、「こんな素敵な人がいるのだ」ということを届けたいと思って始めました。
黒木)なぜ、そこにたどり着いたのですか?
大牧)日本という国が大好きで、子どもが生まれたときにその思いが強くなりました。子どもが自分と同じくらいの年齢になったとき、自分の国を好きでいてくれるのかな、という漠然とした不安があったので、僕なりの好きな日本を残したいと思いました。