キャスターの辛坊治郎が5月12日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。ウクライナ情勢におけるロシアの現状と今後について分析した。

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【ロ軍に備えるウクライナ兵 南部州編入要請に猛反発】ウクライナ南部ヘルソン州の北方で、ロシア軍の侵攻に備えるウクライナ軍の戦車 2022年5月9日(ゲッティ=共同) 写真提供:共同通信社

ロシア軍が占領するウクライナ南部ヘルソン州で11日、占領政策に協力する親ロシア派の政治家がヘルソン州のロシアへの編入をプーチン大統領に要請する方針を表明した。これに対しウクライナのポドリャク大統領府顧問はツイッターに投稿して「ヘルソンにいる裏切り者はいずれ法廷で断罪され許しを請うことになるだろう」と非難した。またロシアのペスコフ大統領報道官は「要請するか否かは住民が決めるべきだ」とする一方、編入に際しては法的根拠がなければならないとも述べた。ヘルソン州は2014年にロシアに併合されたクリミア半島のすぐ北に位置しており、クリミアに飲料水や農業用水を送る重要な供給拠点となっている。

辛坊)ロシアのウクライナ侵略なんですが、最近の報道によるとウクライナがだいぶ押し戻した感じですね。

飯田)そうですね。

北東部のハルキウあたりはかなり押し戻しましたね。

辛坊)そうですね。北東部ロシアの国境沿いにあるハルキウという町よりも西側。キーウにいたるロシアの侵略地域に関しては、ほぼほぼウクライナが押し戻して国境線まで領地を取り返しています。そのハルキウという町の北東、地図でいうところの右上からロシアの国境沿いにずっと弧を描く形で、アルファベットの「C」をひっくり返したような形で下側にクリミア半島がひっついてるという地図をイメージしていただくとわかりやすい。今その「C」がひっくり返したところの内側にへばりつくように、ロシアの侵略地域がずっと北東から南にかけて連なっているけど、どうやらウクライナの作戦を見ているとこのハルキウあたりからちょっとずつ東から南に向かって勢力を取り戻していこうという感じの戦い方ですね。

となると、ロシアからしてみたら、それでなくたって成果がないのに、これ以上占領地域を狭められるより前に、すでに占領が終わったところをロシア領として確定しておきたい。特に今激戦になってるハルキウから東側のところのドネツク州の北側ルハンスク州あたりは、これからアメリカの榴弾砲という長距離砲をほぼほぼ運び終わったのではないかと。西側の最新兵器がウクライナに搬入して現場に配置が終わるのは6月の後半といわれていますから、そうなるとこの北東部分からウクライナがロシアの占領地域をちょっとずつちょっとずつ奪還し始める可能性がかなり高い。そうなった時に、全く成果なしに兵を引くわけにいかないから、ちょっとでも領土拡大したという実績を作っておきたいという思惑がおそらくある。

だからこのヘルソンという今ウクライナが反攻している場所からすると一番遠い所の領地だけではどうしても確定しておきたい。正当性を持たせるためにロシアとしてはここで住民投票をやって、以前にクリミア半島で行ったように、「そこで住んでいる人たちが『ロシアに入りたい』って言っている」という作戦をやろうと思ったけれども、実際民主的手法を取ってますよっていうアピールしたいだけの投票だけど、どうやら住民投票をやっても、過半数を取る自信がない。

という状況の中での今日のこのニュースです。

「ロシアは相当追い詰められている」辛坊治郎が分析 親露派のヘルソン州ロシア編入要請

2022年4月27日、議会関係者との会合で演説するプーチン大統領=ロシア・サンクトペテルブルク(タス=共同) 写真提供:共同通信社

ヘルソンの親ロシア派の人たちが「住民投票なんかやらなくたってみんなの意志はわかってるんだからもうロシアに入っちゃうよ」みたいな。昨日まであんたたち「住民投票する」って言ってたのに住民投票せずに入るというのは、この一事を見てもロシアは相当追い詰められているよね。戦局が日々急激に悪化しているというのはおそらく戦争の最前線の当事者はわかっていて、少しでも領地を確定して戦争前よりロシア領を広げた形で停戦に持ち込みたいという局面に入っている。これがわかっているウクライナも、最新兵器が整った段階で一気に押し返すという状況になっています。

飯田)時はウクライナに味方するという感じですよね。

辛坊)中国の元ウクライナ大使が言ったという件もありましたが、ロシアがどうやら負けつつあるというのが国際的な共通認識みたいですね。2月24日に戦争が始まったときの状況考えると、ここまでウクライナが健闘するとは正直思わなかったですけどね。そういいながらもこの瞬間でも失われる命があるわけです。なんとかロシアが兵を引く形での解決を心から求めたいものです

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