黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(2月16日放送)に作詞家・プロデューサーの秋元康が出演。仕事の極意について語った。
(左)黒木瞳 /(右)秋元康 (C)kurigami
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。2月14日(火)~2月17日(金)のゲストは作詞家・プロデューサーの秋元康。4日目は、仕事の極意について
黒木)秋元さんのドラマって、秋元さんだから観るのではなくて、「このドラマ面白い」と思うと秋元さんの名前が出てくるのですよ。
秋元)本当ですか。
黒木)いまやっている『ダ・カーポしませんか?』も、最初に観ていて「これも秋元さん?」と思いました。『赤いナースコール』や『差出人は、誰ですか?』、『最初はパー』など、知らないで観ていたら、「これも、これも、これも秋元さんなんだ」と。
秋元)そうですね。最近、ドラマが多かったですね。
黒木)そんな秋元さんの仕事の極意ですが、「0を1にするのではなくて、0.1を1にする」。私、これってカッコいいなと思ったのですよ。そう言い切れてしまうところが。
秋元)無色の人がいて、その無色の人を赤やブルーや黄色にしようと思っても、無理があるではないですか。
黒木)もともとのものを持っているから。
秋元)例えば、黒木さんを見ていて、「黒木さんはどんな風に喧嘩をするのだろうな」とか、「そのときは、こういう言い方をするのではないかな」という想像が0.1あった方がつくりやすいではないですか。だから、「その人のどこが面白いか」ということを考えますね。
黒木)想像が0.1あれば。
秋元)黒木さんでドラマをつくる場合、普通ならば、黒木さんの大人のラブストーリーをつくろうとすると思うのです。でも、ある種のコメディエンヌではないけれど、男が一生懸命口説いたりアプローチしても、うまく交わして笑わせるような、ニール・サイモンやウディ・アレンではないけれど、そういうようなものをつくりたくなりますよね。
黒木)そうでしょうか。
秋元)黒木さんのなかのプライベートを知っているわけではないですけれど、ちょっと洒落た言い方とか、笑わせるような、「黒木瞳、ここでこういうこと言うんだ?」というようなことを言うのではないかな、という想像ですよね。
黒木)だから、「まっさらなものには色はつけられない」と。ということが、0.1を1にする。
秋元)黒木さんがもともと冗談など言わない人で、「こう言ったら、こう返ってくるだろうな」という人であれば、それはつくれないでしょうね。
黒木)なるほど。
秋元)雰囲気や想像かも知れませんが、喧嘩しても、ちょっと面白い言い方で「ギャフン」と言わせるのではないかなというところが、面白そうだなと思うのです。実際どうなのですか?
黒木)実際?
秋元)皮肉ではないけれど、面白いことを言うでしょ。きっと。
黒木)言いますね。お笑い大好きだから。
秋元)やっぱりね。そこが面白いのだと思うのですよ。だって、ラブストーリーで、目と目が合って、「ああ、このままラブシーンに行くのかな」というときに、「ポツン」と言う黒木さんの一言が面白そうに見えますからね。
黒木)なるほど。小さいときにはうちの父が、自分は英語ができるんだと言って「電気は、ケストクライ!」とか言っていましたね。父がそういう冗談を言うのが好きだったもので、私も笑いというものにハマりました。
秋元)そういうことを言いそうもないのに、「ボソッ」と言うところが面白いんですよね。
黒木)なるほど。私、たらいが落ちてくるだけで笑ってしまうのですよ。ああいうの、やりたいのですが、そういう役が来ないんです。
秋元)黒木瞳に空タライを落とすのは、なかなかできないよね。
黒木)でも随分前に、志村けんさんとNHKホールでコントやらせていただいたときは、近いものはややせていただきました。大好きですね。
秋元)真面目な感じなのに「外す」というのが面白いような気がするのです。
黒木)よかったです。
秋元)面白そうだもんな、黒木さんは。
『オールナイトニッポン55周年記念 オールナイトニッポン55時間スペシャル』タイムテーブル
黒木)でも、「オールナイトニッポン55時間スペシャル」のタイムテーブルには私の名前が入ってないのですけれど、まあいいか。
秋元)そうですよね。
黒木)ありがとうございます。ここら辺は割愛されると思いますけれど。
秋元)多分、残しますよ。
黒木)そうでしょうか(笑)。
秋元康 / 作詞家・プロデューサー (C)kurigami
秋元康(あきもと・やすし) / 作詞家・プロデューサー
■高校時代にニッポン放送で放送作家としての活動をスタート。
■1985年に始まったテレビ番組「夕やけニャンニャン」の構成を担当し、その後もとんねるずのバラエティ番組など数々の人気番組を手掛ける。
■また様々な人気番組の構成を担当しつつ、作詞家としても活動を開始。30歳のときには美空ひばりの大ヒット曲「川の流れのように」を作詞。
■2000年代以降は、プロデューサーとしてAKB48グループや坂道シリーズを手掛け、社会現象ともいえるムーブメントを巻き起こす。
■2010年には日本放送作家協会理事長に就任。
■ドラマの企画や脚本も担当し、エンタメ業界を長きにわたって発展・けん引してきた。
■『オールナイトニッポン55周年記念 オールナイトニッポン55時間スペシャル』(ニッポン放送 2月17日(金)18時~19日(日)25時)では、エグゼクティブプロデューサーを務める。
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