地図をつくるのにいかに金がかかり、人知と人力を消耗するものであるか

地図をつくるのにいかに金がかかり、人知と人力を消耗するものであるか


『地図のファンタジア』(文藝春秋) 著者:尾崎 幸男山崎 これは、地図をつくる実際家であり、地理学者でもある筆者が、いわば業余の愉しみとして地図をめぐるいろいろな知識を披露した随筆集です。

この人は、たいへん好奇心の旺盛な、また雑学的知識の豊富な人で、いろいろなエピソードを読むだけでも、結構愉しめます。それと同時に、この本を書くにあたっての筆者の心理的動機を推察すると、地図というものがあまりにも理解されていないことに対する苛立ちではなかろうかという気がします。

たとえば友人を自宅へ招くときに、たばこの箱の裏などに簡単な地図を描いて渡す習慣があります。どうも地図などというものは簡単に描けるものだと思いがちである。ましてや一枚の地図を描くのにいくらお金がかかるであろうかなどということは、毛頭考えない。

そこで、この筆者は博学を駆使して、地図をつくるのにいかに金がかかり、人知と人力を消耗するものであるか、ということを書きたかったのであろうと思います。

こういう自然科学者が、文学的なエピソードを書くと、寺田寅彦という偉大な例外を除くと、概してあまりおもしろくならないのですけれども、この筆者の場合には、まずまずの成績をおさめていると思います。

たとえばスティーヴンソンの有名な『宝島』という小説を取りあげて、もしフリント船長が、いまの標準であの宝島の地図を書いたとしたら、どのくらいの日数と、お金がかかるかを、物好きにも計算してみせてくれます。それによると、ほぼ一億二千五百五十万円かかるそうです。

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