誰をどう葬ったか!世界遺産百舌鳥・古市古墳群が変えた埋葬のルールとは

誰をどう葬ったか!世界遺産百舌鳥・古市古墳群が変えた埋葬のルールとは


『埋葬からみた古墳時代: 女性・親族・王権』(吉川弘文館) 著者:清家 章
僕たちは、古墳には1人しか埋葬されていないと思いがちだが、実は複数の人が埋葬されている方が多い。本書は、誰をどのように葬るかという埋葬の原理を分析し、古墳時代(3世紀半ばから7世紀)の実相に迫ったものである。

歯は遺伝的要素が強い。著者は、考古学者田中良之らの歯冠計測値法を用いた親族構造の研究をベースに、これを考古資料により補完・検証し、古墳の被葬者は兄弟姉妹が埋葬される「キョウダイ原理」が主で、父子・母子両方の親子関係を社会的に認める双系であったと分析する。初葬者(家長)の男女比はほぼ1対1だ。嫁婿などの婚入者は基本的に出身集団の墳墓に入る。なお、首長墳については、父系化が小古墳よりも早く始まっている。

夫婦原理の埋葬はかなり遅れて始まる。日本書紀が伝える欽明(きんめい)と堅塩媛(きたしひめ)の合葬は欽明の死後40年たっての改葬であった。時代は蘇我氏の全盛期。著者はこの改葬は、臣下の娘が大王と同じ墓に埋葬される様子を諸臣に見せつける蘇我馬子の政治的デモンストレーションであったとする。それまで堅塩媛は別の場所に葬られていた。つまり、夫婦別墓が原則だったのだ。

古墳時代の王墓群は、箸墓(はしはか)古墳に代表される大和盆地東南部に始まり、北部の佐紀古墳群、河内の古市古墳群、和泉の百舌鳥(もず)古墳群へと移動した。これらの王墓の移動は、これまでは大王位が交替したとする王朝交替論や、ヤマト政権は連合政権であったという学説の論拠となり、倭(わ)の五王と絡めて論じられてきた。

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