小笠原諸島を世界自然遺産へと導いた、121種のカタツムリの物語

小笠原諸島を世界自然遺産へと導いた、121種のカタツムリの物語


『カタツムリ 小笠原へ』(福音館書店) 著者:千葉 聡
6月の新刊『総天然色自然科学漫画 カタツムリ小笠原へ』は、子どもたちを進化学の入り口へと誘う1冊です。小笠原のカタツムリを長年研究してきた著者の千葉聡さんから、作品をより深く理解できるエッセイが届きました。コマツシンヤさんの書き下ろしイラストとともに、お楽しみください!


◆かわりゆくカタツムリの楽園より
千葉 聡
小笠原のカタツムリ――とても愛らしく、コマツシンヤさん描くマイマイ・キャラそのものです。彼らの何百万年もの歴史は、まさにファンタジー。天敵のいない楽園での生活は、きらめくように多彩で、平和でのどかな夢の世界です。

でも、いま、この何百万年とつづいてきたカタツムリたちの夢の世界は、残酷な現実に直面しています。
島にやってきた人間たちが、世界をすっかり変えてしまいました。彼らは、次々と恐ろしいエイリアン―もともと島にはいなかった外来生物を連れてきたのです。

ニューギニアヤリガタリクウズムシ、ネズミ……。外来生物たちは、カタツムリたちを次々と襲いました。20年前まで、たくさんの小笠原固有種のカタマイマイで賑わっていた父島では、恐ろしい天敵にカタツムリたちはことごとく食い殺され、林の中は無数の死殻で覆われたのです。今ではそれも白く朽ち果て、どこかに消えてなくなりました。

本書を通して、カタツムリたちの楽しくて、魅力いっぱいの進化の話だけでなく、そんな悲しい現実にも、皆さんが目をむけて、彼らを救い出す手立てをいっしょに考えてくださるとよいのですが。

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