一人の日本人女性がスイスで安楽死を遂げるまで。「自死行」迫真のルポルタージュ

一人の日本人女性がスイスで安楽死を遂げるまで。「自死行」迫真のルポルタージュ


『安楽死を遂げた日本人』(小学館) 著者:宮下 洋一

◆「自死行」迫真のルポルタージュ
読むのが辛い本である。著者には、安楽死を巡る最近の世界の事情を取材した『安楽死を遂げるまで』という好著があるが、本書は、そうした事情のなかで、一人の日本人女性に親しく寄り添いながら、彼女がスイスで安楽死を遂げるまでの経緯を、丹念なルポルタージュとして綴(つづ)ったものである。取材に当たって、NHKとの協働関係もあったようで、NHK・TVでの番組を視聴された方も多いかもしれないが、映像とは違った重みが本書にはある。

もともと、一部の先進国では最近、伝統的な医療倫理からは外れて、医師が、クライアントの自死の手助けをする(PADと略される)、あるいは、実際にクライアントの死に直接関わる(安楽死)、という行為が、厳しい条件付きではあるが、法的に解禁されてきた、という事情がある。著者の前著は、まさしくその実情を具(つぶさ)に追ったものであった。

当然解禁されていない国や地域で自死を望む人は、解禁されている場所へ移動して、望みを遂げる、という事態が起こる。アメリカでは、オレゴン州へ住居を移した上で、自死を実行した女性に関してメディアが克明に報道して日本でも話題になり、<suicide-tour>(自死行)という言葉も、国際的に広がりつつある。

そうした中で、恢復(かいふく)の望みがない、というよりも、緩慢な経過のなかで、自らの意志による行動の一つ一つが、確実に不可能になるという難病を抱えた一人の日本人女性が、著者の前著に励まされて(著者は、自死に向かう行動を積極的に支持してはいないし、まして勧めているわけではないが)、自死への意志を実行するに当たっての助言を著者に求めたことから、話は始まる。日本は、「未解禁」の国である以上、彼女はスイスを目指した。因(ちな)みにアメリカでの「解禁地域」は、基本的に安楽死ではなく、PADを対象にした法的対応をしているが、ヨーロッパでは、ベネルックス三国がそうであるように、安楽死も対象となっているケースが多い。

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「一人の日本人女性がスイスで安楽死を遂げるまで。「自死行」迫真のルポルタージュ」の みんなの反応 3
  • 匿名さん 通報

    ガンの末期であと数日しか命がない、本人は痛みにのたうち回っているがそれは体の反応でもはや意識はない。その時にあまりに酷いと遺族と相談して生命維持装置を外してくれたお医者様は神様。

    5
  • 匿名さん 通報

    読点が多いね。

    2
  • 匿名さん 通報

    とりあえず旅費を作らねば

    1
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