読書をたのしむには練習あるのみ! 大学教授がコツを伝授

読書をたのしむには練習あるのみ! 大学教授がコツを伝授


『大学教授のように小説を読む方法[増補新版]』(白水社) 著者:トーマス・C・フォスター

◆いったいどうやったんだ?
短編や長編小説には多くの技法が詰まっている。登場人物のタイプ、プロットのリズム、章分け、視点の制約。詩は詩でまた形式、構造、韻律、韻など、特有の技法が多数ある。戯曲もしかり。そのうえさらに、ジャンルを超えた共通の約束事がある。「春」はきわめて普遍的な題材だ。雪、闇、睡眠なども。物語でも詩でも戯曲でも、春が登場したとたんに、私たちの想像力の空には連想の星座がきらめくことになる。青春、期待、新生活、生まれたての子羊、跳びはねる子どもたち……挙げていけばきりがない。さらに連想を進めれば、これらの星座は再生、豊穣、刷新といった抽象概念までを含めるに至るだろう。

わかった。文学を読むにはいろんな技法が鍵になるんだね。どうすればそれを見分けられるの?

カーネギー・ホールの舞台を目指すのと同じさ。練習あるのみだ。

素人読者は小説のテクストに向き合うとき、当然ながらストーリーと登場人物に着目する。これはどういう人間だろう。何をしていて、どんな幸運または不幸がふりかかろうとしているのだろう。こうした読者は最初のうち、あるいは最後まで、感情のレベルでしか作品に反応しようとしない。作品に喜びや反発を感じ、笑ったり泣いたり、不安になったり高揚したりする。つまり、感情と直感で作品世界に没入するのだ。これこそまさに、ペンを握った、あるいはキーボードを叩いたことのある作家が、祈りの言葉を唱えつつ作品を出版社に送るときに念じている読者の反応である。ところが英文学教授が小説を読むときは、感情レベルの反応も受け入れはするものの(教師とてディケンズの『骨董屋』でリトル・ネルが死ぬ場面では涙も流す)、主たる関心は小説のほかの要素に向けられてしまう。この効果はどこから来ているのか? この人物は誰に似ている? これに似た状況設定をどこで見たのだったろう? ここはたしかダンテの(あるいはチョーサー、あるいはマール・ハガード〔カントリー・ミュージックのスター〕の)引用じゃなかったかな? もしこんな質問ができるようになれば、こんなレンズを通して文学テクストを見る方法が身につけば、あなたの読みと理解はがらりと変わる。読書はさらに実り多く楽しいものになるはずだ。

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