既存の概念を見直し、最近の脳科学の動きを知る

既存の概念を見直し、最近の脳科学の動きを知る


『情動はこうしてつくられる──脳の隠れた働きと構成主義的情動理論』(紀伊國屋書店) 著者:リサ・フェルドマン・バレット

◆既存の概念見直し脳機能を考える
最近の脳科学の動きを知るために、たいへん良い本である。ただし著者のいう古典的な脳科学の教育がしっかり入っている人には、いささか読みにくいかもしれない。

主題は喜怒哀楽という言葉に代表される情動である。脳には主として情動を担う部位がある。たとえば大脳辺縁系。私のように古い教育を受けた者には、そういう知識がしっかりと入っている。

著者はそれをほぼ全面否定する。そもそも喜怒哀楽、情動とはどういう基準で確定されるか。顔の表情でわかる。ではそれを解析してみよう。表情は顔面筋の動きで測定可能なはずである。では怒りの場合に、どの筋肉がどのくらい動いているか、たとえば筋電図で調べてみよう。結論ははっきりしている。定まった結果が得られない。

調査不足じゃないのか。もちろん、いくら調べても、そう反論することは可能である。無限にデータをとることはできないからである。でもともあれ、事実は通説とは逆のことを指しているらしい。その方向で考えてみたらどうか。

ここ三十年の脳科学では、生きた脳を非侵襲的に調べることができるようになった。fMRIはその典型である。脳磁図も脳波も近赤外線も使える。それでわかることは、活動している脳の部位である。逆に言えば、それしかわからない。その結果を見ていれば、なにをする時に、脳のどの部位が働くか、その解析が中心になってしまう。例数が少ないうちはそれでよい。しかしたくさんの例が調べられるようになって、データが蓄積すると、いくらでも例外が出てくる。著者の

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