世界中でいまだに、「望まぬ妊娠」は女の側だけに、深くかかえ込まされている

世界中でいまだに、「望まぬ妊娠」は女の側だけに、深くかかえ込まされている


『主婦マリーがしたこと』(世界文化社) 著者:フランシス・スピネル

◆たった五十年前のこと
本ばかり読んでいたら目がちかちかしてきた。

きのうは深夜、『ミッドナイト・コール』(上野千鶴子著・朝日文芸文庫)を読んでいた。上野さんはよく「なぜ産まなかったの」と挨拶代わりに聞かれるらしい。悩みは逆で私は「どうして三人も産んだの」としょっちゅう。「ハァ、成り行きで」「つい出来心で」「できやすい体質かも」……「まァ、せめて“授かった”くらいおっしゃいよ」と眉をひそめたおばさまもいる。男はいい。父親に「なぜ三人も産ませたの」とは聞かないだろうに。

映画になって公開され、さほど評判にもならなかったが、フランシス・スピネル著、福井美津子監訳『主婦マリーがしたこと』(世界文化社)が本棚の隅にあったので再読してみた。

驚くべき本である。いまからたった五十年前、一九四三年七月、人権の国フランスで、四十歳の女性が「堕胎を施した罪」で死刑になっている。名はマリー=ルイーズ・ジロー、シェルブール市の主婦。パリのカフェではサルトルやボーヴォワールが哲学を論じていた頃である。

彼女は貧しい育ちの水兵の妻、洗濯屋だった。五人の子を産んだが二人しか育たなかった。夫は船乗りでめったに家に帰らない。要するにどこにでもいそうな所帯やつれした主婦。

同じ水兵の恋人を持つジゼールが、望まないでできた子を堕すため、芥子湯に足をひたしているのを見た。

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