西洋音楽の洗練への過程、楽曲の謎解きの面白さ
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『音楽の進化史』(河出書房新社)著者:ハワード・グッドールAmazon |honto |その他の書店

◆洗練への過程、謎解きの面白さ
古代の骨笛からボーカロイドまで、洞窟での宗教儀礼からiTunesまで、偶然の発見や複雑な体系化を経て、音楽は紆余曲折(うよきょくせつ)の進化の道筋を辿(たど)ってきた。私たちは現在、壮大な音楽アーカイブを私有し、時と場所を選ばず、あらゆる時代と地域の音楽を聞くことができるし、どんな風変わりな音楽にも耐えられる耳を獲得したが、どのような経緯と理由によって、この音楽の多様性に行き着いたかほとんど何も知らない。

音楽にまつわる歴史的因果を解き明かす本はこれまでありそうでなかった。本書は主に西洋音楽の音階や和声、リズムやジャンルがどのようにして発見され、洗練されてきたかをなぞってみせる。

ヴェネチアのサンマルコ広場の素晴らしい音響効果がオペラやブラスバンドの揺り籠になったこと、1オクターブが12音で構成される背景、対位法芸術の極致ともいうべきバッハの楽曲の秘密などが謎解きされてゆく過程は凡百のミステリーを凌(しの)ぐ面白さだ。

【書き手】
島田 雅彦
1961年、東京都生れ。東京外国語大学ロシア語学科卒。1983年『優しいサヨクのための嬉遊曲』を発表し注目される。1984年『夢遊王国のための音楽』で野間文芸新人賞、1992年『彼岸先生』で泉鏡花文学賞、2006年『退廃姉妹』で伊藤整文学賞を受賞。著書は『天国が降ってくる』『僕は模造人間』『彗星の住人』『美しい魂』『エトロフの恋』『フランシスコ・X』『佳人の奇遇』『徒然王子』等多数。

【初出メディア】
朝日新聞 2014年7月20日

【書誌情報】
音楽の進化史著者:ハワード・グッドール
翻訳:夏目 大
出版社:河出書房新社
装丁:単行本(482ページ)
発売日:2014-05-14
ISBN-10:4309274919
ISBN-13:978-4309274911
西洋音楽の洗練への過程、楽曲の謎解きの面白さ

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