実は多くの謎に包まれている神社本殿。神のおわす空間の意味とは?

実は多くの謎に包まれている神社本殿。神のおわす空間の意味とは?


『神社の本殿―建築にみる神の空間』(吉川弘文館) 著者:三浦 正幸

◆神社建築への疑問 明快に回答する書
神社の本殿とは何か、なぜさまざまな形式の神社建築があるのか、そもそも神社の社殿ができたのはいつの時代なのか。神社は私たちに身近な存在であり、日本の文化を象徴する存在でもありながら、実はよくわからない多くの疑問に包まれてゐる。そんな疑問に明快に答へてくれる本である。

著者は建築史と文化財学の専門家である。神道の研究者ではないだけに、あくまでもその専門の立場から学術的な分類と分析に徹底してをり、多くの読者を納得させる力がある。

まづ、神社の本殿とは何か、については「神の専有空間を内包する建築で、そこに神が常在するとされているもの」と定義して、神の去来や降臨のための御旅所や祭殿とは明確に区別する。神社建築の多様性と分類については、現在広く定説化されてゐる恩師・稲垣榮三博士の説を紹介した上で、それを批判し新たな分類案を提示する。

稲垣説は、「土台・心の御柱・二室」といふ概念で分類したもので、一、土台については、本殿の柱下に井桁に組んだ土台をもつ春日社や賀茂上下両社のタイプに注目。それは移動させやすい構造であり、本殿が、年に一度の神の降臨に際しての、神の宿舎といふ性格をもつからだと考へた。

二、心の御柱をもつ伊勢の神宮や出雲大社のタイプについては、心の御柱は構造的にはほとんど無用なもので神秘性を帯びたものとみる。いづれも本殿は堀立柱の古代の宮殿の手法で造られてをり、神が常在する宮殿として造られてゐるとした。三、本殿形式が二室に分かれてゐる点については、住吉大社や宇佐八幡宮のタイプに注目してゐるが、その起源や意味は互ひに異なるとしてゐる。

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