●プロフィール
桐谷広人:1949年広島県出身、将棋棋士・投資家。日本テレビ系のバラエティ番組『月曜から夜ふかし』で現金を使わず、株主優待のみで生活をする姿が話題になった。
山口京子:1966年名古屋出身、ファイナンシャルプランナー。All About家計簿・家計管理ガイド。大学在学中からテレビ・ラジオに出演。卒業後はフリーアナウンサーに。お金好きが高じてファイナンシャルプランナーの資格取得。テレビ、ラジオ、セミナーで活動中。『なまけものが得をする ワンコインつみたて投資術』など著書多数。
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■桐谷さんの驚きの家計簿
山口さん:私、家計管理の専門家としてAll Aboutで2002年から家計管理に関する記事をずっと書き続けているんですね。桐谷さんの家計管理もすごく気になるのですが、どんなふうに管理されていますか?
桐谷さん(以下敬称略):私は18歳で東京に出てきたときから、ずっと日記と金銭帳をつけています。以前は日記と金銭帳は別々だったのですが、最近は日記と金銭帳を1冊にまとめています。
山口:これだけですか? 本当に現金を使うのは端数を払っていくだけなんですね。
桐谷:そうですね。株をやっていると配当金ももらえて、お金はどんどん貯まっていきます。
山口:いいですね、本当に右肩上がりの資産(笑)。
■増え続ける資産、どうする?
桐谷:お金は貯まるんですけど、もう本当に貯まる一方で、今ちょっと困ったもんだなと思っているんですけれども。
山口:羨ましいですね。変な人に騙されないようにだけしないといけませんね。増え続ける資産は今後何かしたいとか、どんなふうにお考えですか?
桐谷:結局自分では使えないので、どういう形になるか……。
山口:そこはノーアイディア、ということですね。
桐谷:堅実に節約しながら生きてきたはずが、この年になってお金が貯まっているので困ったなと思って。2年ぐらい前に『月曜から夜ふかし』のスタッフに「いつまで生きるつもりか?」と言われて、「そうか、寿命があったのか!」と。
指摘されたときに思ったんですけど、「なんか私、永遠に生きるのかな」と(笑)。これからは優待株だけでなく、お金の使い方も今は考えなくてはいけないなと思っています。
■優待株を始めてから不安はなくなった
山口:でもそれは楽しい悩みですよね。
桐谷:そうかもしれないですね。リーマンショックのときは、本当に貧乏になってしまって。老後はどうしようかと本当に不安で仕方がなかったですから。あの頃と比べると今は気分的に楽ですね。
山口:お金をもともと大事にされる方だと思うんですけれども、やっぱり優待投資家になってから、お金との付き合いが変わったということですよね。
桐谷:優待券というのは期限があるので、とにかく使わなくてはいけません。そのため、自転車を走らせたり、遠くへ行ったりするので健康にも良いのです。実際にお年寄りの方で、タンス預金をしたり定期預金をして質素な暮らしをしたりという人はたくさんいますが、彼らの場合、「現金」だから使えないのです。
それが優待券だったら、期限があるから使いに行かなければなりません。
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一時は老後が不安だったが、優待株への投資を始めてからその不安が解消された。桐谷さんの優待株投資は老後の人生を楽しく生きるヒントになるかもしれません。