「お金がないからできない」「どうせ無理」など、何でも“お金のせい”にしてしまう人がいます。一方で、同じ状況でも工夫を重ねて暮らしを楽しむ人もいます。
お金に好かれる人と嫌われる人の違いは、実は収入の差ではなく「日々の習慣」や「思考のクセ」にあります。

お金に嫌われる人は“できない理由”ばかり探してイライラを募らせますが、お金に好かれる人は“できる方法”を考え、小さな工夫を楽しみに変えています。今回は、お金との関係をよくするための、「習慣の切り替え方法」について解説します。

■「お金に嫌われる人」のイライラは「思考停止」が原因?
今はインフレで物の値段が上がっていますが、お金に嫌われる人は、すぐ「お金がない」と口にしてしまいがちです。例えば「旅行に行きたいけれどお金がない」「外食は高いから無理」といった具合です。

こうして“できない理由”を並べてしまうと、解決策を考える余地を自分で閉ざし、結局イライラが募るだけになってしまいます。つまり、お金に嫌われる人の特徴は「考えることをやめてしまう=思考停止」にあるといえるでしょう。

一方で、お金に好かれる人は発想の向け方が逆です。「予算が少ないなら、どちらを優先するか」「物の値段は上がっているけど、今ある範囲でどう楽しめるか」と前向きに考えます。旅行なら近場の日帰りを選ぶ、外食なら特に気になるお店のランチを試すなど、“限られた予算の中でも楽しむ工夫”を見つけます。

イライラをお金のせいにせず、柔軟に発想を切り替えて満足につなげる。この姿勢こそが、お金に好かれる人に共通する習慣といえそうです。


■“ムダにしたくないという気持ち”がよい習慣を育てる
お金に好かれる人は、もともと発想が柔軟な人ばかりではありません。大切なのは「せっかく稼いだお金をムダにしたくない」「できるだけ有効に使いたい」という気持ちです。

その気持ちがあるからこそ、日常の中で“どうすればもっとよくできるか”と工夫を重ねるようになり、自然とよい習慣が身についていきます。お金の使い方に対して「できる方法」を考えるクセがあるからこそ、管理にも前向きに取り組めるのです。

例えば、お金に好かれる人は……

・週に1度財布を整理してレシートや小銭を確認する
・年に1回は通信費や保険料、サブスクの利用料など固定費を見直す
・買い物の前に「本当に必要か」を一呼吸おいて考える

こうした小さな習慣を積み重ねることで、「お金をコントロールできている」という安心感が生まれ、ムダ遣いの抑止にもつながります。

一方で、お金に嫌われる人は、財布がレシートであふれたり、固定費を何年もそのままにしていたり、思いつきで買い物をしてしまうことが多いもの。その結果「なんとなくお金が減っていく」という不安を抱えやすくなります。小さな行動の積み重ねが、やがて大きな差につながっていくのです。

■思考と習慣を変えると、暮らしはこう変わる
お金に嫌われる人は「節約=我慢」と考えがちで、「お金がない」と嘆いて終わってしまいます。

一方、お金に好かれる人は「節約=工夫」と捉えます。例えば外食を減らすときも「楽しみが減る」とは思わず、「自炊で新しいレシピを試す」という楽しみに変える。あるいは「洋服代を減らす」ことを「今ある服を組み合わせて新しいコーデを考える」と工夫に変える。
こうした発想の転換が、暮らしを前向きにし、満足度を高めてくれます。

つまり「どうすれば楽しめるか」「どう工夫すれば叶えられるか」と考える姿勢こそ、お金に好かれる人に共通する習慣といえるでしょう。

文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)
会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方を発信。3匹の保護猫と暮らす。All About おひとりさまのお金・ペットのお金ガイド。
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