金融庁の報告書に端を発して話題となった「老後2000万円問題」など、老後の心配事といえばやはりお金ではないでしょうか。もっと出世しておけばよかったと現役時代に後悔を持つ人もいるようです。


現役時代にいくら稼ぎ、貯蓄をしておけば安心した暮らしができるのか。All Aboutが実施したアンケート調査から、東京都在住65歳男性のケースをご紹介します。

■回答者プロフィール
回答者本人:65歳男性
同居家族構成:本人、妻(63歳)
住居形態:持ち家(戸建て)
居住地:東京都
リタイア前の雇用形態:正社員
リタイア前の年収:700万円
現在の預貯金:1800万円、リスク資産:600万円
これまでの年金加入期間:国民年金60カ月、厚生年金420カ月、企業年金20年

■現在受給している年金額(月額)
老齢基礎年金(国民年金):6万9308円
老齢厚生年金(厚生年金):12万円
障害基礎年金や障害厚生年金(障害年金):なし
遺族基礎年金や遺族厚生年金(遺族年金):なし
その他(企業年金や個人年金保険など):企業年金2万円

配偶者の年金や収入:年金5万5000円

■「物価上昇で余裕が減った」
現在の年金額について満足しているか、の問いに「どちらでもない」と回答した今回の投稿者。

その理由として「基本的な生活は賄えますが、物価上昇で以前より余裕が減ったため、十分とはいえません。ただ現役時代の貯蓄(があること)を考えると大きな不満でもない、という中間的な感覚です」と語っています。

ひと月の支出は約「18万円」。年金だけでは「年に1~2回足りない月がある」と回答されています。

■「衣類や家具は修理して延命」
年金で足りない支出については「貯蓄から2万~3万円ほど引き出し」て賄っているという投稿者。

年金以外に「週2回、区立図書館でカウンター業務のアルバイトで月に3万円ほどの収入」があるそうで、「正直この年齢で仕事を続けるのは体力的に少し大変ですが、適度な社会参加にもなり、気分転換としてもプラス」になっているといいます。

年金生活においては「光熱費はLED照明に変えて、こまめに電源を切る習慣を徹底。食費も外食を減らし、自宅で野菜中心の料理を作るようにしています。衣類や家具は修理して延命させています」と支出を抑える工夫をしているとのこと。


■「孫が遊びに来る日は一番の喜び」
現役時代にもっとこうしておけばよかったと思うことがあるか、との問いには「投資信託など多少のリスクを取ってでも資産を増やす努力をしておけば、今はもっと余裕があったはずです。また健康管理をもう少し徹底すべきでした。年を重ねてから医療費を考えると、生活習慣病の予防や運動習慣の大切さを痛感します」と回答。

今後の生活については「今のところ夫婦ともに元気ですが、病気や入院が必要になったとき、年金だけで対応できるのかと考えると心細くなります。特に介護が長期化した場合、生活費とダブルで負担がかかるのは避けられません」と不安を吐露。

一方で「毎朝の散歩で季節の移ろいを感じたり、図書館で読書を楽しんだりは何よりのぜいたく。妻と近所の温泉に出かける小旅行も十分に充実感があります。特に孫が遊びに来る日は一番の喜びで年金生活も悪くないと思えます」と自分のペースで過ごす老後の過ごし方も教えてくれました。

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