老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、年金で暮らす場合の税金について解説します。

■Q:後期高齢者になっても年金を受け取っていると税金はかかってしまうのでしょうか?
今回はAll About編集部が設定したケーススタディーに対して回答いただきます。

「72歳・夫婦2人暮らし。後期高齢者(75歳)になっても年金を受け取っていると税金はかかるのでしょうか?」

■A:後期高齢者であっても年金収入は雑所得として課税対象になります。65歳以上で年金収入が205万円を超えなければ所得税はかかりません。住民税は非課税世帯でない限り支払う必要があります
個人が支払う税金には、所得税と住民税があります。それぞれ、公的年金に対してどのように課税されるのかを見ていきましょう。

年金収入は雑所得として所得税の対象となります。

公的年金の所得額を計算するときには、公的年金等控除額(65歳未満60万円、65歳以上110万円)を差し引いて計算することになります。

老齢年金の雑所得=老齢年金収入-{110万円(65歳以上の公的年金控除額)+95万円(令和7年12月以降の最大基礎控除額※)}=205万円

※令和7年度に税制改正があり、所得税などの見直しがありました。よって、2025年分の公的年金等の源泉徴収(天引き)は、2025年12月の支払いの際に、改正後の一定の基礎控除額に基づいて1年間の税額を計算し、改正前の一定の基礎控除額に基づいて計算した源泉徴収税額との精算を行います

老齢年金収入が205万円を超えなければ、老齢年金の雑所得はかかりません。
詳細な税額などは税務署にて確認してみましょう。

一方で、住民税は、市町村民税・道府県民税の総称で、その年の1月1日現在の居住地に納税することになるものです。税額は住んでいる地域によっても変わります。ただし、次のいずれかにあてはまる人は、住民税は非課税(支払わなくてよい)となります。

【1】生活保護法による生活扶助を受けている人
【2】障害者・未成年者・寡婦またはひとり親で、前年中の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は、年収204万4000円未満)の人
【3】前年中の合計所得金額が一定の金額以下の人
≪同一生計配偶者または扶養親族がいない場合:単身者≫
45万円以下

≪同一生計配偶者または扶養親族がいる場合≫
35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下

2025年に税制改正があり、住民税がかかる所得の上限が引き上げられました。

住民税は、前年の所得(1~12月末日)で計算します。そのため、令和7年で改正された所得要件は、令和8年から反映されることになります。

▼令和7年から住民税が非課税になる年収と所得①会社員やパート・アルバイト:年収100万円(基礎控除45万円+給与控除55万円)⇒年収110万円(基礎控除45万円+給与控除65万円)
②個人事業主・無職:所得45万円:変わらず(給与所得がないためです)
③収入が複数(会社員+副業など):合計所得45万円以下(給与収入がある人は給与所得控除:10万円引き上げ)

所得税・住民税などの税金は、高齢になっても一定の所得がある人は支払う必要がありますので覚えておいてください。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
編集部おすすめ