老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、特別支給の老齢厚生年金と繰り上げ受給の関係について解説します。

■Q:63歳から老齢厚生年金を繰り上げ受給すると、特別支給の老齢厚生年金はもらえなくなりますか?
「63歳になります(昭和38年生まれ)。63歳から特別支給の老齢厚生年金がもらえると聞きました。現在は扶養に入り、週16時間のパートで働いています。老齢厚生年金を繰り上げて63歳から受け取った場合、特別支給の老齢厚生年金はどうなるのでしょうか?」(まーパンさん)

■A:63歳から受け取る特別支給の老齢厚生年金は“繰り上げ”ではありません。減額されずに受け取れます
特別支給の老齢厚生年金とは、老齢基礎年金の受給資格期間が10年あり、かつ厚生年金に1年以上加入していた人が、生年月日と性別に応じた受給開始年齢から65歳になるまで受け取れる年金です。

昭和38年生まれの女性の場合、この受給要件を満たしていれば、63歳から特別支給の老齢厚生年金を受け取れます。

この「63歳から受け取る特別支給の老齢厚生年金」は、本来の支給開始年齢による受給です。そのため、“繰り上げ受給”にはあたらず、減額もされません。

まーパンさんの年金受給イメージは、次のようになります。

・63歳:特別支給の老齢厚生年金の受給開始
・65歳:老齢基礎年金と本来の老齢厚生年金の受給開始

一方で、65歳から受け取る老齢基礎年金を63歳から受け取りたい場合は、「繰り上げ受給」の手続きが必要になります。


この場合、65歳より24カ月早く受け取ることになるため、

0.4%×24カ月=9.6%

減額された老齢基礎年金を、一生涯受け取ることになります。

つまり、

・特別支給の老齢厚生年金、65歳からもらえる本来の老齢厚生年金→減額なし
・老齢基礎年金→繰り上げすると減額

という違いがあります。

なお、繰り上げ受給をすると減額率は一生変わらず、後から取り消すこともできません。生活状況や今後の働き方なども考慮しながら、慎重に判断することが大切です。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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