2021年の劇場アニメが良作ぞろいだった理由【藤津亮太スペシャル対談】
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2021年もあとわずか。数多くのアニメ作品が放送・上映・配信された。そこにはどんな注目作があったのか、またアニメ界の今後を占うどんな動きがあったのか――アニメ評論家・藤津亮太とアニメージュプラス編集長・治郎丸が1年のアニメシーンを振りかえり、2022年への期待を語った対談を全3回で掲載する。
第1回は、なぜ今年の劇場アニメ作品が良作ぞろいだったか、その理由と各作品の魅力に迫った。
2021年の劇場アニメが良作ぞろいだった理由【藤津亮太スペシャル対談】
▲(左から)藤津亮太さん、アニメージュプラス編集長・治郎丸。

編集長 2021年のアニメシーンを振り返るにあたり、藤津さんからいくつかキーワードを戴いています。まず「長編の豊作」。これは劇場アニメということですか。

藤津 はい、もうその言葉に尽きちゃう感じですね。

編集長 確かにバラエティに富んだ力作が連続して公開された印象がありますよね。

藤津 ちょっと大きな話をすると、2012年が劇場アニメの大きな分水嶺だったと思うんです。なぜかというと、その年の劇場興行成績がスタジオジブリ作品なしで400億円超えを達成したということ。この年って『ONE PIECE FILM Z』と『おおかみこどもの雨と雪』の公開年で、要はジブリ以外でも50億円とかを超えるヒットが出たということ。続いて2016年の『君の名は。』のヒットがあって、こういう経緯の積み重ねでアニメ映画の興行成績のレベルが一段上がったような気がします。

さらに辿っていくと、2012年のヒットに繋がる萌芽が2009年に確認できるんですね。まず『サマーウォーズ』で細田守というクリエイターへの注目が高まった。そして『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』の大ヒット。これは定番化していたシリーズを原作から導線を引き直したことで新たな路線を確立しまして、『

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