映画『ロード・オブ・ザ・リング』三部作の200年前の物語を、アニメーションで映像化した『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』が12月27日に全国公開! 偉大なる王・ヘルムに護られた騎士の国ローハンに迫る王国滅亡の危機に、若き王女ヘラが立ち向かう! 今回はヒロインである王女ヘラの幼なじみで、王国を滅亡寸前まで追い込んだ最大の敵・ウルフ役の津田健次郎に、この役を演じてみての感想や、本作の見どころなどを語ってもらった。
――『ローハンの戦い』に出演が決まったときはどう思われましたか?
津田 映画『ロード・オブ・ザ・リング』は既に完結していたということもあって、このタイミングでシリーズに連なる作品に参加できるとは考えてもいませんでしたので、とてもビックリしましたし、非常に光栄なことだと思います。
――本作では映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ三部作から200年前のローハンを舞台にした物語が描かれていきます。脚本をご覧になったときの感想をお聞かせください。
津田 大ヒットした作品、しかもコアファンも多い作品ですので、脚本化していくときのプレッシャーたるや尋常じゃなかっただろうなと思いました(笑)。前日譚なのでオリジナルの物語ではあるのですが、映画三部作に繋がる「なるほど」といったカタルシスもあったりして。ファンだけでなく『ロード・オブ・ザ・リング』を知らない人でも楽しめるようにと、「すごく丁寧に作られた脚本だな」という印象でした。
――津田さんの演じられるウルフですが、どのようなキャラクターなのでしょうか?
津田 ローハンの西の境の領主・フレカの息子で、この物語の主人公であるローハンの王・ヘルムの娘である王女ヘラとは幼なじみになります。自分の父親を殺したヘルムへの復讐を誓い、軍を率いて王国に侵攻。ヘラと敵対することになっていきます。そんなウルフですが、クールかつワイルドで圧倒的な強さを持つ男に見えるものの、その中身は幼さや未熟な部分があるキャラクターで、心の狭い駄々っ子のような一面があるのは面白いと思いました。
――どのようにウルフを演じていこうと思われましたか?
津田 吹き替えですが、英語版の演技はあまり意識せず、監督や音響監督と現場で作り上げていきました。最初は大軍勢を率いてトップに立つ男ということで、ドスが効いた厳つい感じに演じようと思っていたんです。でもワイルドさを強めで収録に臨んだところ、「もう少し若さみたいなのも欲しいかな」というディレクションが入りまして、そこからは成熟してない感じを前面に出しながら演じさせてもらいました。
――演じてみて感じたウルフというキャラクターの面白や難しさというと?
津田 収録を進める中でわかってきたのは、「そうか、こいつ坊ちゃんなのか」ということでした。そもそも領主の息子ということもあって、「大切に育てられている」と感じる場面が多々あって。いろんなキャラクターと対峙するたびに、ダメな感じが出てきてしまうのは、演じていて面白いところでした。
――ウルフとは幼なじみである王女ヘラについてはどんな印象がありますか?
津田 劇中でヘラはかなり過酷な運命をたどっていくことになります。非常に苦しい戦いが続きますし、しかも敵対する相手が幼なじみですから。本当にしんどいとは思うんですが、何度くじけそうになっても王女として王国の危機に立ち向かっていく、その姿は格好いいと思いました。
――そんなヘラとウルフの関係についてはどう思われていましたか?
津田 なんか悲しいですよね。ヘラはウルフのことも好きだと思うんです。でも、それが恋愛感情なのかというと、結婚を申し込まれたシーンを見た限り、そうではなかったと思っていて。もちろんヘラも実は……みたいな解釈もできると思いますが、最終的に悲劇へと繋がっていくウルフとヘラの友情と恋愛のすれ違いみたいなものは、悲しくもお互いの立場を考えると仕方のない現実的な話であったのかなと思います。
【関連画像】津田健次郎さんの写真と『ローハンの戦い』の名シーンを見る(画像22枚)
ウルフにとってヘルムはただの殺したい相手
――ローハンの王・ヘルムについてはどんな印象がありますか?
津田 「拳ひとつで敵をなぎ倒す強キャラの極み」みたいなイメージがあります。メンタルもフィジカルも圧倒的、さらには人格者と非の打ち所のない王様ですよね。
――強大な敵を倒すために、自分を高めていく感じに?
津田 いや、そういう感じではないですね。ウルフのモチベーションは単純にヘルム王に対する憎しみから来ているだけなので。ただ「殺す」というその気持ちだけで行動している感じです。ライバルでもないですし、彼を超えたいとも思ってない。普通に卑劣な手も使いますしね。そもそもヘルム王とは比較にならないくらい器の小さい男なので(笑)
――そんなウルフを最後まで支えてくれたターグ将軍についてはどう思われましたか?
津田 忠義者ですよね。もちろん計算づくなところもあったとは思いますが、ウルフが私利私欲で動いているのを理解しつつ、彼を助け続けたわけですから。策士というだけでなく、人格者というすごく魅力的な人物だなと思いました。僕としてはウルフではなくて彼がリーダーであった方が良かったような気がするんですけどね(笑)。なんだろう、カリスマが足りなかったのかな?
――津田さんの分析ではカリスマで考えるとターグ将軍よりウルフの方が上だと?
津田 危ない人は魅力的に見えますからね(笑)。しかも荒くれ集団を率いていく必要があったわけで、カリスマ性と恐怖で部下たちをまとめ上げることができたウルフだからこそ、王国滅亡まであと一歩のところまでいけたと思っています。
――本作の感想とオススメの見どころについてお聞かせください。
津田 すごかったです。映画『ロード・オブ・ザ・リング』で感じた壮大なスケール感がしっかりと継承されていましたし、実写の埃っぽさというかリアルな質感がアニメーションになっても表現されていて。中でもラストの怒涛の展開はオススメです。スリルとスピード感、伏線回収、さらにはキャラクター同士の感情の壮絶なぶつかり合いと、まさにこれぞ『ロード・オブ・ザ・リング』だと実感させてくれるクライマックスが繰り広げられていきます。ぜひ手に汗を握りつつ楽しんで観てもらえたら嬉しいです。
――最後に劇場公開を楽しみにしているファンの皆さんにメッセージをお願いします。
津田 映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのファンの方だけでなく、『ローハンの戦い』で初めてこの物語に触れるといった方でも絶対に楽しめる作品となっています。特にこのシリーズのファンの方には劇場三部作とのさまざまな繋がりを驚きとともに感じてもらえるはず。壮大な世界観、ファンタジーの醍醐味、火花散る人間ドラマと全ての要素が詰め込まれているだけでなく、その映像美はまさに劇場の大スクリーンで鑑賞する価値のあるものとなっています。ぜひ劇場まで足を運んでいただきますよう、よろしくお願いします。
【PROFILE】
津田健次郎(つだけんじろう)
6月11日生まれ。
――『ローハンの戦い』に出演が決まったときはどう思われましたか?
津田 映画『ロード・オブ・ザ・リング』は既に完結していたということもあって、このタイミングでシリーズに連なる作品に参加できるとは考えてもいませんでしたので、とてもビックリしましたし、非常に光栄なことだと思います。
――本作では映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ三部作から200年前のローハンを舞台にした物語が描かれていきます。脚本をご覧になったときの感想をお聞かせください。
津田 大ヒットした作品、しかもコアファンも多い作品ですので、脚本化していくときのプレッシャーたるや尋常じゃなかっただろうなと思いました(笑)。前日譚なのでオリジナルの物語ではあるのですが、映画三部作に繋がる「なるほど」といったカタルシスもあったりして。ファンだけでなく『ロード・オブ・ザ・リング』を知らない人でも楽しめるようにと、「すごく丁寧に作られた脚本だな」という印象でした。
――津田さんの演じられるウルフですが、どのようなキャラクターなのでしょうか?
津田 ローハンの西の境の領主・フレカの息子で、この物語の主人公であるローハンの王・ヘルムの娘である王女ヘラとは幼なじみになります。自分の父親を殺したヘルムへの復讐を誓い、軍を率いて王国に侵攻。ヘラと敵対することになっていきます。そんなウルフですが、クールかつワイルドで圧倒的な強さを持つ男に見えるものの、その中身は幼さや未熟な部分があるキャラクターで、心の狭い駄々っ子のような一面があるのは面白いと思いました。
――どのようにウルフを演じていこうと思われましたか?
津田 吹き替えですが、英語版の演技はあまり意識せず、監督や音響監督と現場で作り上げていきました。最初は大軍勢を率いてトップに立つ男ということで、ドスが効いた厳つい感じに演じようと思っていたんです。でもワイルドさを強めで収録に臨んだところ、「もう少し若さみたいなのも欲しいかな」というディレクションが入りまして、そこからは成熟してない感じを前面に出しながら演じさせてもらいました。
――演じてみて感じたウルフというキャラクターの面白や難しさというと?
津田 収録を進める中でわかってきたのは、「そうか、こいつ坊ちゃんなのか」ということでした。そもそも領主の息子ということもあって、「大切に育てられている」と感じる場面が多々あって。いろんなキャラクターと対峙するたびに、ダメな感じが出てきてしまうのは、演じていて面白いところでした。
――ウルフとは幼なじみである王女ヘラについてはどんな印象がありますか?
津田 劇中でヘラはかなり過酷な運命をたどっていくことになります。非常に苦しい戦いが続きますし、しかも敵対する相手が幼なじみですから。本当にしんどいとは思うんですが、何度くじけそうになっても王女として王国の危機に立ち向かっていく、その姿は格好いいと思いました。
――そんなヘラとウルフの関係についてはどう思われていましたか?
津田 なんか悲しいですよね。ヘラはウルフのことも好きだと思うんです。でも、それが恋愛感情なのかというと、結婚を申し込まれたシーンを見た限り、そうではなかったと思っていて。もちろんヘラも実は……みたいな解釈もできると思いますが、最終的に悲劇へと繋がっていくウルフとヘラの友情と恋愛のすれ違いみたいなものは、悲しくもお互いの立場を考えると仕方のない現実的な話であったのかなと思います。
【関連画像】津田健次郎さんの写真と『ローハンの戦い』の名シーンを見る(画像22枚)
ウルフにとってヘルムはただの殺したい相手
――ローハンの王・ヘルムについてはどんな印象がありますか?
津田 「拳ひとつで敵をなぎ倒す強キャラの極み」みたいなイメージがあります。メンタルもフィジカルも圧倒的、さらには人格者と非の打ち所のない王様ですよね。
ウルフは、そんな男に拮抗していく必要があるので、エネルギーを高めつつ、同等のところまで行けるように意識しながら演じさせてもらいました。
――強大な敵を倒すために、自分を高めていく感じに?
津田 いや、そういう感じではないですね。ウルフのモチベーションは単純にヘルム王に対する憎しみから来ているだけなので。ただ「殺す」というその気持ちだけで行動している感じです。ライバルでもないですし、彼を超えたいとも思ってない。普通に卑劣な手も使いますしね。そもそもヘルム王とは比較にならないくらい器の小さい男なので(笑)
――そんなウルフを最後まで支えてくれたターグ将軍についてはどう思われましたか?
津田 忠義者ですよね。もちろん計算づくなところもあったとは思いますが、ウルフが私利私欲で動いているのを理解しつつ、彼を助け続けたわけですから。策士というだけでなく、人格者というすごく魅力的な人物だなと思いました。僕としてはウルフではなくて彼がリーダーであった方が良かったような気がするんですけどね(笑)。なんだろう、カリスマが足りなかったのかな?
――津田さんの分析ではカリスマで考えるとターグ将軍よりウルフの方が上だと?
津田 危ない人は魅力的に見えますからね(笑)。しかも荒くれ集団を率いていく必要があったわけで、カリスマ性と恐怖で部下たちをまとめ上げることができたウルフだからこそ、王国滅亡まであと一歩のところまでいけたと思っています。
――本作の感想とオススメの見どころについてお聞かせください。
津田 すごかったです。映画『ロード・オブ・ザ・リング』で感じた壮大なスケール感がしっかりと継承されていましたし、実写の埃っぽさというかリアルな質感がアニメーションになっても表現されていて。中でもラストの怒涛の展開はオススメです。スリルとスピード感、伏線回収、さらにはキャラクター同士の感情の壮絶なぶつかり合いと、まさにこれぞ『ロード・オブ・ザ・リング』だと実感させてくれるクライマックスが繰り広げられていきます。ぜひ手に汗を握りつつ楽しんで観てもらえたら嬉しいです。
――最後に劇場公開を楽しみにしているファンの皆さんにメッセージをお願いします。
津田 映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのファンの方だけでなく、『ローハンの戦い』で初めてこの物語に触れるといった方でも絶対に楽しめる作品となっています。特にこのシリーズのファンの方には劇場三部作とのさまざまな繋がりを驚きとともに感じてもらえるはず。壮大な世界観、ファンタジーの醍醐味、火花散る人間ドラマと全ての要素が詰め込まれているだけでなく、その映像美はまさに劇場の大スクリーンで鑑賞する価値のあるものとなっています。ぜひ劇場まで足を運んでいただきますよう、よろしくお願いします。
【PROFILE】
津田健次郎(つだけんじろう)
6月11日生まれ。
アンドステア所属。主な出演作はTVアニメ『ラーメン赤猫』(文蔵)、『魔王様、リトライ!』(九内伯斗/大野晶)、『テニスの王子様』(乾貞治)、『チェンソーマン』(岸辺)、『呪術廻戦』(七海建人)、『ゴールデンカムイ』(尾形百之助)、『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』(海馬瀬人)ほか。
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