“秘めたる想いを映像に託す出崎演出” TVアニメ『ベルサイユのばら』演出における「光と影」-後編-:氷川竜介

“秘めたる想いを映像に託す出崎演出” TVアニメ『ベルサイユのばら』演出における「光と影」-後編-:氷川竜介
“秘めたる想いを映像に託す出崎演出” TVアニメ『ベルサイユのばら』演出における「光と影」-後編-:氷川竜介
[文:氷川竜介]

■ 秘めたる想いを映像に託す出崎演出

これに対する中盤から後半の出崎統監督は、革命の機運が盛り上がっていくことを前提に、より映画的な映像を見せていこうという志向が前面に打ち出されている。登場キャラクターの情熱それ自体は変わらないが、内に秘めたものを機微としてビジュアルに表出するように変わっていく。プロポーションも等身があがり、顔も憂いを秘めた雰囲気をたたえ、これが各人の行動や考え方の成熟のムードとして伝わってくる。

特に重視されるのは、映像の「呼吸」と「間合い」「流れ」だ。出崎統パートでも当然、ドラマチックな激情が炸裂する局面は多々あるが、フィルムのつなぎ方の緩急、疾走シーンなどカメラが動く方向性、アップ・ロングのサイズ比などで作画の表現力を何倍にも高め、映像のリズムが紡がれていく。よく話題になる3回PAN(*1)やハーモニー作画(*2)にしても、フィルムの生理が求める緩急のダイナミズムから来る必然性で使われて、文章における句読点や感嘆符の役割をはたしている。
カメラを構える作り手と観客の心が重なりあいながら、画面内の人物を追う。配役と観客の直接対決でないだけに、編集で飛ばした間や、ふとした表情変化や背景の隙間に想像力が膨らむ。大事なのは「誰がどういう心情で観ているか」ということだ。

この要諦が如実に分かるのは、オスカルに影のように付き従うアンドレの目が失明していくプロセスである。少しずつ光を喪う主観的な映像が、恐怖と不安を高めていく。ところが、その不幸が一気に反転するのが第37話「熱き誓いの夜に」だ。

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