2019年4月より放送中のTVアニメ『消滅都市』で、EDテーマを担当しているのがSPR5(シュプリーム・ファイブ)だ。
声優の社本悠、岩井映美里、直田姫奈、大西亜玖璃、園山ひかりからなる5人組で、2018年5月に原作となる同名ゲームから“リアルデビュー”を果たした。


4月24日には、セカンドシングル「With Your Breath」をリリース。これが、先のEDテーマとなっている。
1月にはファーストアルバムをリリースするなど、精力的に活動する彼女たちにインタビューを実施。デビュー時の目標は「武道館」と掲げた5人だが、様々な経験を積んできたいま見据えるものとは――。
[取材・構成=松本まゆげ/撮影=小原聡太]

SPR5のインタビュー過去記事はコチラ
>第1回目(2018年8月):ゲームからリアルデビュー!「消滅都市」から生まれたアイドル、SPR5が目指している“夢の向こう側”
>SPR5、激動のデビュー1年と、1stアルバム「Supreme Revolution」にこめた想い語る【インタビュー】

■歌にダンスに……セカンドは挑戦の曲
――まずは、セカンドシングル「With Your Breath」をリリースすることが決まったときのお気持ちはいかがでしたか?

社本
リリースが決まったときは、素直に嬉しかったです。でも、それがアニメのEDテーマになると聞いたときは「大丈夫かな?」と不安もちょっぴりありました。

身も引き締まる思いというか。

でも『消滅都市』を楽曲から一緒に盛り上げられることは光栄ですし、大切にしたい1枚になりましたね。

――デビューシングル「インコンプリートノーツ」、ファーストアルバムのリード曲「アルキオネ」に続き、今回も楽曲は俊龍さんとなりました。楽曲を聞いたときの印象は?

岩井
まさに「ザ・アニソン」なカッコいい曲だと思いました!
仮歌ではおひとりで5人分歌われている状態だったので、「5人で歌ったらどんな雰囲気になるんだろう?」とワクワクしていました。
いざ一緒に歌ってみると、最初の印象を乗り越えられることができて、また新しい私たちの歌にできたかなと思います。

――曲を聴いてみたら、テンポが速く、音程をとるのも難しい印象でした。


直田
たしかに、歌うことにエネルギーを使う曲ですね。
「リズムもとらなきゃいけないし、音程もしっかり合わせないといけない。でもきちんと歌の想いも伝えないといけない……!」と、もどかしさや難しさはありました。
でも、そのぶんできたときの達成感は大きかったです。

それに、歌っているときシュプリーマーのみなさんの顔が浮かぶ曲でもあったので、「ひとつになれたのかな?」という感覚もあります。

――とくにどこが難しかったですか?

直田
サビですね。

曲を追うごとに、歌やダンスのハードルが上がっている感じがして、だからこそ自分たちの成長にもつながっている。
良いチャンスをいただけているんだなと思います。

――では、そんなダンスはどうでしたか?

大西
ふわふわと飛び跳ねるような、かわいい振りが多かったです。
「インコンプリートノーツ」と「アルキオネ」はカッコいいイメージだったんですけど、今回はかわいい曲調なので振りもそういったイメージになったんだとおもいます。

サビの円陣でみんなの顔を見合わせるところは、お客さんも一緒にやってくれるところで。一体感が生まれる曲のでぜひやってみてください!

――では、難易度的にはどうでした?

園山
ピョンピョン跳んでいるので、体力勝負です!
曲に合わせて踊るためには、われらの体力がないと成立しないので、覚悟を決めて臨む必要があります。


岩井
今までの集大成的なところはありました。
それに、疲れるダンスではあるのにライブで披露したときは……。

社本
思ったより疲れなかったよね。

岩井
みなさんからパワーをいただいたような感覚でした。

――しかもMVも集大成のようでした。過去の映像を観ているシーンだとか。


社本
撮っているときは、どんなイメージになるのかまったく分からなくて、完成したMVを見て「なるほど、そうなったか!」という感じでした。

昔の映像を使用することも想像していなかったので、ちょっと気恥ずかしさもありつつ、自分たちの成長を実感できて嬉しかったですね。

あと、衣装もはじめて、私服テイストなものを着たんです!

大西
キャラの設定から衣装のイメージを起こして、それぞれのメンバーカラーを入れてくださったみたいです。
私はトレーナーだったんですけど、あまり着ることがないので新鮮でした。

直田
そういうのもふくめ、自然体のSPR5が映っていると思います。

――ああいうセットにいると、休憩中も飽きなさそうですよね。


社本
みんなで遊びまくっていました!
セットが海外のおうちみたいだったので、そういう設定で勝手に名前を付けたり。

大西
たしか「エミリーの家」(笑)

岩井
そうそう、懐かしい!
お茶を飲んで休んでるとき、「ようこそ、エミリーのお茶会へ♪」って言ったらみんながゾロゾロきて寸劇がはじまりました(笑)。

園山
動画もめちゃくちゃ撮ったので、せっかくならどこかのタイミングでお見せしたいですね!

→次のページ:この5人だから出せるハーモニーがある
■この5人だから出せるハーモニーがある
――カップリング「夢の向こう側へ」の作曲は、ゲーム『消滅都市』の楽曲を制作するノイジークローク・加藤浩義さんでした。

社本
まさか、ゲームで慣れ親しんだサウンドで私たちが歌えるとは思っていませんでした。しかもバッチバチなEDM調の楽曲。新しいSPR5を見せられたと思います。

――歌割りも凝っていると聞きましたよ。

直田
1年間私たちの歌声を聞いてきた音楽ディレクターさんが、一番良いところをチョイスしてくれたんだと思います。

実は私、「ここのパートを歌いたい」とお願いをしていたんです。

園山
そうなんだ!

直田
たとえば、1番Bメロの〈向かい風〉ってところ。ドンドンドン!ってすっごくアクセントがつくところなんですけど、どうしても自分で表現してみたくて「歌わせてください」とお願いしたんです。

もうひとつ、2番の頭も。言ってみたら叶ったので、「言ってみるもんだ!」と思いました(笑)。

――みなさん、そういった要望は出されるものなんですか?

岩井
知らなかったです、そんな“お願い制度”があったとは(笑)。

直田
もちろん、自分からお願いしたので、ライブでも最高の歌声を披露したいと思います!

岩井
私は、最初に自分の歌声が使われていたのが印象的でした。
「岩井の声、いい味出してるよね~」とディレクターさんに褒めてもらえて、嬉しかったな。

大西
岩井さんのレコーディング聞かせてもらってたんですけど、最初は仮歌に近い感じで歌っていたら、「いつもの岩井さんの感じが欲しい」「空気多めで優しく歌ってくれればいいから」とディレクターさんが言っていましたね。

私は、けっこうビシビシ歌っていたんですけど(笑)。

――個々に違ったんですね。

岩井
それぞれの特長を引き出してくれていたと思います。
自分のあとにくるしゃもちゃん(社本)の声も、また雰囲気違って良いんですよ。

直田
私たちバランス良いよね~。

園山
自分で言った(笑)。
でもたしかに5人組み合わさってひとつの曲になっているんだなと実感しました。

ダンスについても、歌ってないところで超絶キメキメな振りがあるので、そこで「おおっ?」と思ってもらえるはずです。
そうなるように、頑張ります。

社本
クールなカッコよさがあるのかなと思います。「新しい挑戦+新しい顔」というか。また好きになってくれる人が増えると信じています。

――しかも、楽曲はシリーズ最新作のゲーム『AFTERLOST - 消滅都市』にも収録されます。

社本
そうなんです! びっくりしました。

なので今回のシングルは、1曲目はアニメ『消滅都市』で、2曲目は『AFTERLOST - 消滅都市』なんです。
『消滅都市』のファンの方でSPR5はあまり知らないと言う人にも、ぜひ手にとっていただきたいですね。

■デビューから1年 強くなった5人
――ここからは活動のお話も。1周年になりますが、どんな1年でしたか?

大西
最初に比べたらみんなの仲が深まったと思います!
変なイジりもできるようになったし、素の自分を出しているようになったり、行き詰まってもみんながフォローしてくれる頼もしさを感じています。
すごく自然体でいられるようになったなと思います。

社本
そうだね。もう5人ならどんなイベントでも平気で出られる。
でも、プロモーションとかで2人で出るときはすっごく緊張しちゃって(笑)。

4人
わかる!

社本
みんながいない不安があるんだろうね。

直田
この前、私と社本ふたりで行ったときは、超緊張しちゃいました。
「私たち、ちゃんとできたよね!?」みたいな。

社本
そうそう(笑)。

岩井
私も、亜玖璃とふたりで番組収録に行ったときも……。

大西
「私たちちゃんと面白かったかな?」「爪痕残せてなくない?」とかね(笑)。

――やはり不安になったと。

社本
もう(5人)が当たり前だからね。
あらためて1年経って、それぞれの良さを引き出し合える仲になったんだなって思います。

園山
嬉しいよね。

――ちなみに、この1年で劇的に変わった人はいますか?

大西
やっぱり姫奈ちゃんじゃない?
最初はびっくりするくらい人見知りで、生放送の前なんてガタガタ震えて「はじまっちゃう! はじまっちゃう!」という感じだったけど、今ではすごく平常心で。
すごく強くなったよね。

直田
ありがとう。亜玖璃は、おしとやかなお嬢さんかと思ってたんですけど、SPR5イチのいたずらっ子に育ちました(笑)。

――いたずらっ子?

直田
すぐ煽ったり、いじったりしてくるんです(笑)。
でも、そういう楽しい部分が引き出せたのは一緒にいたからこそだし、そのほうが居心地いいなと思います。

――いい雰囲気で活動ができているからでしょうね。では、ほかのみなさんはどうでしょう?

岩井
あ、成長しました、私!

4人
自己申告!

岩井
ダンスや歌も上達したし、美意識も高まりました。
それに心も強くなったと思います。

直田
それはすごくわかる。強くなったよね。
あ、でも他人に言われるのは苦手なんだよね。ここまでにしとく(笑)。

社本
では、私は園山に言おうかな。
園山さんは良い意味で一番変わらないんです。「成長してない」という意味ではなく、ずっと変わらずに守る続けているものがある感じ。

園山
人生4回目だからね。

社本
これです! 「人生4回目」とか「平安生まれ」とか、「われ」もずっときちんと言い続けている。
最初はいつかボロが出ると思ってたんですけど……。

園山
なんでだよ(笑)。

社本
でも本当に貫き通せるところはすごいと思う!プロですね。

園山
ありがとう(笑)。みんながいるからそういう自分でありたいって思っていられるんです。

で、しゃもちゃんは、本当に何でもできるようになりましたね。ライブでみんなをまとめてくれるのもそうだし、トークで誰かが代表で喋らないといけないようなときもビシッと締めてくれる。
そういう“エース感”が前面に出てきました。

社本
ありがとう。MCとかそういう立ち位置も任せてもらっていますね。

岩井
最初、「MC、大丈夫かな?」と言ってたときもあるよね。

社本
不安だったからね。
みんなの良いところをちゃんと伝えたいし、そのためのMCなので、「もっと成長しなきゃ」という想いは強かったです。

3月17日のイベント(「Supreme Revolution」)のとき、「ちょっとはうまくなったかな?」という気持ちになったので、変わってきているのかなとは思います。

→次のページ:「ただのアイドルじゃない」とにじませるプライド
■「ただのアイドルじゃない」とにじませるプライド
――では、アイドルの楽しいところ、嬉しいところって見つけられましたか?

大西
私は、ライブが一番楽しいです。
練習を積み重ねてきて、それをライブの日で全てを出し切ったら、お客さんに喜んでもらえる。そういうのを実感すると「やってきてよかったな、楽しいな」と思いますね!

園山
われもライブですね。
ライブ中、こちらのコールに対して「こういうノリ方してくれるんだ!」というレスポンスもあって、すごく嬉しいんです。
もっともっと皆さんの前でパフォーマンスできたら良いなと思います。

岩井
私は、お渡し会が楽しいです。
自分たちのCDやブロマイドのお渡し会って、アイドルじゃないとできないと思うんです。貴重な体験をさせてもらっていると思いますし、ファンの方と対面してお話できる時間がすごく楽しい瞬間だな、と実感します。

直田
もともと歌うことが好きだったので、みなさんの前で歌えるのが純粋に楽しいです。
そしてダンスは、SPR5をはじめてから最近ようやく楽しくなってきたので、みんなで作り上げてきたものをステージの前で見せる瞬間が一番楽しいのかもしれないですね。

社本
私はずっとアイドルに憧れていて、なれないだろうなと思ってたんですけど、ホムラ(社本)が声を務める『消滅都市』劇中に登場するSPR5のキャラクター)と出会って、ご縁があってライブをやらせていただくようになりました。

そんななかで何より嬉しいのは、ファンのみなさんの言葉ですね。
ツイッターで「ありがとうございました」と投稿したときにもらうリプライとか、お渡し会で直接もらう言葉がすごく力になっています。

ファンのみなさんは「明日から頑張ろう」とか「笑顔になれる」と言ってくれて、自分たちもそれを受けて「もっと笑顔になってほしい」「もっとたくさんの人に知ってもらいたい」と力をもらえています。

シュプリーマーの方のおかげだと思うと、アイドルとファンの関係ってすごくステキですよね。

――SPR5のこの先が楽しみです。ちなみに、初回のインタビューで目標を聞いたところ「武道館」と言っていました。ゴールは見えてきましたか?

5人
遠いです!!

岩井
そのときは、漠然としていたんでしょうね。

社本
勢いで「行ける気がする!」って思っていたけど、現時点でまだまだだなって思っちゃいます。
でもいつか行きたい!

――では、この目標を叶えるため今やっておきたいことは何ですか?

大西
やっぱり、もっといろんな人に知ってもらいたいです。
ゲームファンやアニメファンの方たちの中には、SPR5を詳しく知らないという人もまだまだいると思います。
なのでもっと知ってもらって、良さに気づいてもらいたいですね!!

岩井
そのために、仕事をどうやっていくかも大事だよね。
ありがたいことにいろんな経験を積ませてもらって、そこで分かったことがあります。それはひとつの仕事にどこまで力を注げるか、ということ。
着実に確実に向き合っていけば、きっと先に踏み出せると思います。

直田
そう、一歩ずつでいいから、もっと先へ踏み出していきたい。手を取り合って頑張っていきたいですね。

そのために、パフォーマンス力をもっともっとつけたい。
“夢の向こう側へ”と歌っているくらいだから、少しずつでも前に進んでいきたいと思います。
武道館はキャラクター5人たち成し遂げられなかった目標なので、そこを私達が叶えたいです。

園山
今年はアニメも放送され、新アプリもリリースされて、いろいろ動き出す年になると思います。
SPR5としてもこれからイベントがたくさんあるはずなので、ひとつひとつのステージでパフォーマンスを全力でこなしていきたいです。

『消滅都市』にとって記念すべき年についていくのではなくて、「私たちが引っ張っていくんだ!」くらいの勢いでやっていきたいです。

社本
キャラクターと私たちが一心同体のSPR5は、ただのアイドルじゃないんです。
なのでキャラクターと一緒にどんどん前へ、大切に歩んでいきたいと思います。その先にきっと武道館があると信じて、頑張っていきます。

まずは、5月3日のラクーア(東京ドームシティ ラクーアガーデンステージ)でのフリーイベントに臨みます。
私たちを知らない方たちにも観てもらえるチャンスなので、そこでひとりでも多くの人に見つけていただいて、7月のライブにつなげていけたらと思っています。

【商品情報】
発売日:2019年5月8日
品番:PCCA-04777
金額:1,200円+税
「消滅都市」オリジナルアニメジャケット仕様
<収録曲>
01.答
02.君の唄(キミノウタ)


ED主題歌「With Your Breath」
歌:SPR5(CV:社本 悠、岩井映美里、直田姫奈、大西亜玖璃、園山ひかり)
作詞:太田彩華、俊龍
作曲:俊龍
編曲:山口高始

【商品情報】
発売日:2019年4月24日
商品仕様
With Your Breath【初回限定盤】
金額 1,800円+税
品番 PCCG.01769
映像特典 「With Your Breath」Music Video/「With Your Breath」Making Video

With Your Breath【通常盤】
金額 1,250円+税
品番 PCCG.70450

□収録内容
M1. With Your Breath
作詞:太田彩華、俊龍 作曲:俊龍 編曲:山口高始
M2. 夢の向こう側へ
作詞:安田みずほ 作曲・編曲:加藤浩義 (ノイジークローク)
M3. With Your Breath-instrumental-
M4. 夢の向こう側へ-instrumental-