私はあります。それも1度や2度ではありません。
それほどまでに、世の中には魅力的な作品、そしてキャラクターが溢れています。
そこでアニメ!アニメ!では、世間で話題になっている、または筆者の独断と偏見で見繕った作品やキャラクターの中から“イケメン”をピックアップして、その魅力を伝える企画「私のイケメン図鑑」を始動。
第11弾となる今回は、絶賛公開中の映画『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』より、劇場版オリジナルキャラクターのジュリオを紹介します。
※以下の本文にて、本テーマの特性上、作品未視聴の方にとって“ネタバレ”に触れる記述を大いに含みます。読み進める際はご注意下さい。
■全面戦争一旦終結後を描いた『ユアネクスト』
『ヒロアカ』こと『僕のヒーローアカデミア』は、2014年7月より「週刊少年ジャンプ」にて連載され、4月4日に最新巻が発売された既刊40巻のコミックスシリーズは累計発行部数が1億部を突破する、堀越耕平先生によるヒーローアクションマンガを原作とするアニメです。この5月から、TVアニメ最新シリーズとなる第7期が放送されています。
劇場版は、2018年の第1作『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE~2人の英雄~』を皮切りに、2019年の第2作『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ヒーローズ:ライジング』、2021年の第3作『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ワールド ヒーローズ ミッション』と展開し、右肩上がりの連続ヒットを続けてきました。『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』は、3年ぶりにスクリーンに帰ってくる待望の最新作となります。
ストーリーは、「全面戦争」の一旦の終結後、再び決戦が行われる前の時間軸にて起こった出来事。
そんなダークマイトの傍らには、アンナと呼ばれる一人の少女が……。そしてアンナを「お嬢様」と呼びながらも命を狙う男・ジュリオ。この2人とダークマイトの関係とは一体なんなのか?
出久や爆豪、轟たち雄英高校1年A組は、ダークマイトと、彼が率いる謎の犯罪組織ゴリーニ・ファミリーに果敢に立ち向かっていきます。果たして、ダークマイトの野望を阻止し、世界を守ることができるのか――。
■オタクの好物を詰め合わせ!? 好きになる要素しかない
この映画の重要ポイントとなるのが、アンナとジュリオの存在。ストーリーでジュリオはアンナのことを「お嬢様」と呼んでいると書きましたが、その通り、彼はアンナの生家「シェルビーノ家」に仕える執事なのです。
登場早々、荒廃した町の中で優雅に紅茶を飲んでいたので「落ち着いた紳士キャラ?」と思ったのも束の間、ごつい真っ赤なバイクを乗り回す、敵に対して銃をぶっ放すなど、執事らしからぬ粗暴な一面が見えます。
そして極めつけは、デクに対して「ヒーローのガキ様ですね」という暴言! 私はこの時点で「あ、このキャラ好きだ」と確信しました。
キャラクター説明にも「普段は冷静沈着で言動も丁寧だが、時折粗暴な素の部分が垣間見える」とあり、デクに対しては「ガキ様」、敵に対しては「雑魚様」と呼び、丁寧なのかバカにしているのか……。
その粗野さが外見にも少し現れており、赤い長髪を括り、執事服に眼帯、泣きホクロ、ギザ歯、右手・左足が義手足……極めつけはCV.宮野真守さんという! これだけオタクが好きな要素が詰め込まれたジュリオは、「性癖のハッピーセット」だとSNS上で話題になりました。
外見だけでなく、もちろん内面も。ここからは映画の内容に深く関わってくるので、ネタバレを避けたい方は読むのをストップしてください。
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ジュリオの“個性”は「因子相殺」。右腕で触れた相手の個性因子を、自らの個性因子で相殺・消滅させることができます。
そしてアンナの“個性”は「過剰変容」。触れた相手に自らの個性因子を流し込み、個性を一定期間強化・変容させることができます。それはアンナ自身にも影響を与えており、体内の個性因子が過剰に増加すると発作が起こり、許容限界を超えると個性が暴走。制御できず、長年苦しみ続けていました。
そんなアンナの発作を抑えるために、シェルビーノ家に仕えることとなったジュリオ。“個性”のせいで人との交流を諦めていたアンナでしたが、ジュリオのおかげで普通の生活と本来の明るい性格を取り戻していきます。
しかし、アンナの“個性”を知ったゴリーニファミリーがシェルビーノ家を襲撃。
アンナは、自分の個性が暴走すると大変なことになるとわかっており、ジュリオに「私が私でいられるうちに殺して」と約束させていました。
スラム街で育った元孤児で、自身の“個性”も「役に立たない」と思っていたジュリオ。拾って仕えさせてもらっただけでなく、“個性”を役立ててくれたアンナを「殺す」という辛い使命を背負った男だったわけです……。
こんなキャラ、好きにならないわけないじゃないですか……っ!
■かっちゃんが認めたイケメン?ジュリオ
『ヒロアカ』の劇場版シリーズは、毎年ゲスト声優としてタレントさんを起用してきました。
今回、宮野真守さんがゲストだと聞いて「え、本業が声優なんだから本編で使った方がよくない?」「宮野さんってタレント枠になっちゃったんだなぁ……」と、正直なんだかガッカリした気持ちになってしまいました。
しかし『ユアネクスト』を見てその考えは間違っていたと確信。赤髪ギザ歯、口悪な執事だけど「お嬢様」呼び、そしてなんといっても表現力。約束とはいえ、アンナを殺さなければいけないという悩み葛藤するジュリオに胸を打たれたのは、宮野さんの見事な演技があってこそだと感じます。「もしかしたら制作側は、ジュリオのために宮野さんを本編に呼ぶのを控えていたんじゃ!?」と思わされるくらいでした。
余談なのですが、爆豪がジュリオのことを「イケモブ」と呼ぶ場面が……。
かっちゃんも「イケメン」だと認めたジュリオの活躍を、ぜひ劇場の大スクリーンで確認してほしいです。
(C)2024 「僕のヒーローアカデミア THE MOVIE」製作委員会(C)堀越耕平/集英社