本書は、NHK ETV特集「火垂るの墓と高畑勲と7冊のノート」をもとに書籍化されたドキュメント。
著者は、ETV特集を制作したNHKディレクターの寺越陽子。寺越はかつて2年半もの密着取材をした『かぐや姫の物語』の制作現場で、高畑監督が「ぼくは火垂るの墓を全然完成しないで封切った」と言ったのを聞いていた。その発言は、いったいどういう意味だったのか。ここから寺越は、美術品として厳重に保管してある「7冊のノート」を閲覧、さらに当時の制作スタッフや識者をひとりひとり訪ねて話を聞きながら、どのように原作小説から映画が作られていったかを追っていく。
本書の特徴のひとつが、「7冊の構想ノート」をはじめ、映画制作時に使用された貴重な資料、高畑監督にまつわる写真も多数収録していることだ。また8ページにわたる冒頭のカラー口絵では、13点の資料や映画の場面カットを見ることができる。うち2点は初公開となる資料だ。
映画『火垂るの墓』は2024年にNETFLIXによる世界配信が始まり、昨年国内でも配信されたことから、さまざまな反響を呼び起こしている。配信をきっかけに、各国での劇場公開も相次いでいる。
なぜ「火垂るの墓」は制作から38年経ったいまも人々の心を打ち続けるのか。観たことがある人も、新たな視点で「火垂るの墓」をもう一度見返してみたくなる、心揺さぶるドキュメントとなっている。
【タイトル】高畑勲と「火垂るの墓」 ─「幻の脚本」と「7冊の構想ノート」を読み解く─
【著者名】寺越陽子(てらこし・ようこ)
【発売日】2026年6月24日(水)
【造本】四六判・224ページ
【定価】1,980円(税込)
【ISBN】978-4-10-357081-3
(C)野坂昭如/新潮社, 1988
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