
アメリカの国立公園の観光で、人気のある「グランドサークル(Grand Circle)」を紹介します。訪れたのは2020年10月。広大な国立公園は、スポットによってさまざまな表情を見せます。グランドキャニオンを中心に、コロナ禍での変化とともにグランドサークルの多様な見どころを現地在住のウェブ特派員がレポートします。
【はじめに】2020年11月26日現在、観光目的の海外渡航は難しい状況です。『地球の歩き方ニュース&レポート』では、昨今の世界情勢をふまえ観光地情報の発信を抑制してきました。しかし、「近い将来に旅したい場所」として、世界の現地観光記事の発信を6月から再開しています。
世界各地のまだ行ったことのない、あるいは再び訪れたい旅先の詳しい情報を入手して準備をととのえ、新型コロナウイルス禍収束後は、ぜひ旅にお出かけください。安心して旅に出られる日が一日も早く来ることを、心より願っています。
グランドサークルといえばグランドキャニオン

「グランドサークル」とは、グリーンリバーとコロラドリバーが合流しレイクパウエルに流れ着く、ユタ州とアリゾナ州の境目を中心に、ニューメキシコ州とコロラド州を含めた4州にまたがる半径230kmの“大きな円”のなかのエリアのことです。歴史的な公園を含めた国立公園が12、またモニュメントもたくさんあり、国立公園のデパートのような場所になっています。
グランドサークルのなかで最も人気があるのは、やはり「グランドキャニオン(Grand Canyon)」です。サンフランシスコから近い国立公園には、ヨセミテ国立公園があります。“滝を見上げるヨセミテ公園”と初めて訪れた“渓谷を見下ろすグランドキャニオン”は、特徴がはっきりしていてとても興味深く感じました。
グランドキャニオンには、サウスリム(南側)とノースリム(北側)に見学場所があります。ノースリムは南側に向かって傾斜しており、流れる水が岩肌を削っているので反対側のサウスリムからは荒々しく変化に富んだ景色を観ることができます。
ホテルやビジターセンターなどの施設やビューポイントも充実しているので、限られた滞在時間の場合はサウスリムの観光がおすすめです。新型コロナウイルス対策で公園のシャトルバスは運休かもしれないと心配しましたが、コースの一部を除いて運行されています。グランドキャニオン鉄道で訪れる場合も不便はありません。季節により運休することがありますのでその点は確認してください。
公園内で最もすてきなレストランは、ビレッジ地区にある老舗ホテル「エル・トバ(El Tovar)」のメインダイニングです。予約を取らず、人数制限があるもののオープンしていたので、食事も堪能できました。
エル・トバ・ホテルは、アメリカ屈指の山岳リゾートホテルです。大きな暖炉やドッシリした柱、梁には温もりを感じ、古き良きアメリカ開拓時の雰囲気を感じることができます。ビレッジ地区に行ったら訪れておきたい場所です。
■Grand Canyon
・URL: https://www.nps.gov/grca/learn/management/cvip09.htm
■El Tover
・URL: https://www.grandcanyonlodges.com/lodging/el-tovar-hotel/