深作欣二のバイオレンス、皆が「この人のためなら」

 貧しい生家の家計を助けるため、時子は幼い頃から「藤乃屋」で奉公していた。女将の里江(富司純子)は、いよいよ時子が舞妓となるために、高額な水揚げ料を工面するスポンサーを探した。そして北山の大尽(加藤武)が見つかり、時子は飛翔の瞬間を迎える‥‥。

 その日が決まり、時子はかつての恋人への気持ちを断ち切るため、青年の仕事場へ向かった。視線の向こうには、青年がハツラツとした表情でトラックに乗り込んでいる。

 このシーンで宮本は、初めて深作に異を唱えた。

「ここは膝から崩れ落ちて泣いてほしい」

 そんな監督のプランだったが、宮本はすでに時子と一体化していた。瞬時に「それは違う!」と思い、新人女優が大監督に初めて逆らった。

「幼い日から時子は、ここまでいろんなことに耐えてきました。そして気持ちの区切りをつけるこの場面、私だったら笑って終わらせたい」

 大粒の涙が自然にこぼれながらも、その顔はさわやかな笑顔に満ちている。結果的に深作は新人女優の意見を採用し、劇中でも白眉のシーンとなった。さらに、完成後にこんな一幕もあったと宮本が言う。

「監督は涙を流しながら私に言ったんです。キミのおかげでいいシーンが撮れたよって」

 最後の水揚げの儀式を迎える場面では、面談時の約束どおりフルヌードが待っている。そのことに抵抗はなかったが、事務所も含め、前バリを貼るかどうかで意見が分かれた。宮本も、本心では万が一のために貼っておきたかったが、深作の一言を聞く。


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