長嶋と松井“4番の遺伝子”継承までの21年間「イチモツが収まっていないと」

 長嶋は松井の入団直後、「巨人の4番」として松井を育てるため、「1000日構想」をプランとして持っていた。

 つまり、3年間みっちり鍛え上げていけば、立派な巨人の4番打者になれると踏んでいたのだ。

 そのために自宅に呼んだり、遠征先のホテルで深夜に「素振り教室」を開校した。

 時には全裸になってバットを振ることもあった。

 それはなぜか。長嶋はこう言ったという。

「スイングした時に、イチモツが左右にぶれずに、キチンと下を向いて、収まっていないと、いいフォームではない」

 これこそ、“ミスター語”で言う「さっと構えて、ククッと挟み込んで、シューッと振る」という理想のフォーム。まだ若手だった松井だが、その言葉でも十分についていけるだけの読解力があった。

「長嶋監督は『空気を切る』ということをしっかり教えてくれました。いいスイングをすると、“鋭い音”がしますし、悪いスイングだと“鈍い音”がする。毎日やっていると、その音を聞き分けられるようになりました」

 入団初年度は、よみうりランドの合宿所で暮らしていた松井は、東京ドームでの試合が終わると長嶋監督の家に行き、素振りをして、監督から「OK」のサインが出るまで、それこそ真夜中になるまでバットを振り続けてから帰宅する毎日だった。

 それだけに、疲労困憊もあってか、“巨人流”の集合時間である約束時間の30分前の集合に遅れても、長嶋だけは理解を示していた。その“寵愛”を受けて、松井もその思いに報いるように努力した。


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2013年4月19日のスポーツ総合記事

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