「おせーて、おせーて」、「ワリーネ、ワリーネ、ワリーネ・デートリッヒ」、「アンタはエライ」‥‥。昭和を代表するコメディアン、小松政夫(71)が世に送り出したギャグは数多い。その量産を可能にした秘訣を本人に尋ねると、意外な答えが返ってきたのだ。

「僕のはギャグじゃない。本来、ギャグっていうのは、練りに練られた台本の上に成立するものであってね。僕のは全部、はやり言葉。だから、言い放っては惜しげもなく捨ててきた」

 小松は「日本喜劇人協会」会長である。こう話すのも、喜劇人としてのこだわりなのだろう。とはいえ、その「捨ててきたはやり言葉」が今なお人々の記憶に刻み込まれているのだ。

 本誌のアンケート調査でも上位に入っていることを伝えると、破顔一笑してこう話すのだ。

「それは、本当にありがたい。自分で言うのもヘンだけど、ある年齢層より上の人たちには浸透していると実感させられることも多い。例えば、『小松の親分さん』というのがあるでしょう。地方で夜道を歩いていたら、『親分さん!』と声をかけられた。振り向くと、見るからに本職の方でね。『おう!』と返事するわけにもいかないし(笑)。本当に口をついて出た言葉があらゆる人に受け入れられたわけだけど、とっさに出たフレーズとはいえ、全部にモデルがいるんだよ」

 今回、本誌のアンケート調査で6位となった「しらけ鳥音頭」こは「見ごろ!食べごろ!笑いごろ!」(テレビ朝日)の中で歌われたものだが‥‥。