真弓 それにノースリーからライト前ヒットを打ちましたなんて言うやつがいるけど、それも絶対にダメ。
掛布 それはないよね。せめて失敗して、センターフライ。
真弓 「しまった」っていうアウトね。
掛布 それか高く上がる内野フライ。
真弓 明らかに巻き込みにいった球。とにかくホームランを狙ったような打球じゃないとダメ。1球目も同じだよな?
掛布 1球目もそう。3ボールと初球は似てるんだよ。
真弓 いちばんイヤなのは「初球から思い切っていこうと思ってました」っていう選手。ちゃんとボールを見ろよって。
掛布 ハハハハ。
真弓 一時期、巨人の打線が打てなくなった時期があるけど、それも1球目から振っていってた。ボール球だって何でも振ってた。
掛布 長野もそれで打てなくなったかもしれないね。
真弓 ボール球を振ってて、いいバッティングはできないよ。
掛布 だからカウント1-1からの見極めなんだよね。相手は絶対にボール球を振らせるような組み立てをしてくるから、そこでガッとボール球を見極められたら勝ちだよ。
真弓 特にボールの使い方がうまい横浜の三浦とか、ああいう選手は手ごわい。絶対にボール球を投げてくるんやから、そこで我慢できるかが鍵やね。
掛布 そこが打者の勝負どころ。それを乗り切ると打者が優位になる。でも、コントロールのいい投手はあえて3ボール投げて、3-1から勝負してくる選手もいる。あえて3ボール投げる選手もいるんだから。そしたら打者はボールを見るから、4球目で楽にストライクが取れるからね。投手によっては最悪、四球でもいいという考えがあるわけ。だから3-2までは持っていけるんだよ。最後、ボール球に手を出してくれるかが投手の勝負どころ。