歴代総理の胆力「麻生太郎」(2)政権交代への「戦犯」

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 しかし自民党内には、仮に麻生が代わっても、「選挙の顔」となるこれといった人材も不在だったことから、麻生はからくも生き延びた。そうした中で、ようやく辿りついたのが、政権発足から1年近く経った真夏の総選挙。結果は「歴史的大敗」であった。

 このときの自民党の選挙戦を筆者も取材していたが、自民党はなんともヒドイ選挙態勢であった。すでに民主党がマニフェスト(政権公約)を発表していたのに対し、自民党が重点政策などを発表したのは公示が近づいてからであった。いかにもヤル気が疑われる動きである。また、選挙の司令塔の幹事長、選対委員長がそれぞれ勝手に動き、統制もまったく取れていなかった。

 それでは御大の麻生総理はといえば、元々、全国の選挙事情に通じているわけではなく、組織票頼みの自民党支持団体を回って頭を下げるのみであった。一方で、地方での講演で「高齢者は働くことしか才能がない。80歳を過ぎて遊びを覚えても遅い」などの放言である。執行部の一人などは「また地雷を踏んでしまった。もう選挙にはならない」と、投票前日にして“敗北宣言状態”だったのだ。まさに「戦犯」である。

 結果、麻生は退陣を余儀なくされ、政権は民主党に移るという大鳴動となった。その民主党政権は「官僚政治からの脱却」「政治主導」を標榜したが、鳩山由紀夫菅直人野田佳彦と総理大臣が目まぐるしく代わる中、わずか3年余で政権を自民党に返してしまうのだった。


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