
アイドルシーンが円熟期を迎えた80年代半ば。ツッパリブームに舞い降りた1人の少女に、ファンの心は魅了された。ほんの5年の芸能活動ながら爪痕を残した藤井一子(50)が、青春の日々をプレイバックする!
──デビューは85年放送の「毎度おさわがせします2」(TBS系)ですが、出演の経緯は?
藤井 オーディションです。書類審査のあと、地元・福岡でのオーディションがあり、最後は東京の本戦で選ばれました。歌ったり自己PRをしましたね。
──役柄は中山美穂の親友役で、ツッパリ少女の雰囲気でしたが、合格の決め手もツッパリだったから?
藤井 いいえ、普通の女の子でした(笑)。何も知らないまま芸能界に入り、演技レッスンもなく、すぐにドラマ撮影が始まりました。そのつど現場で指示されることに一生懸命応えて、言われたことをやるので精いっぱい。中山美穂さんや木村一八さんという大物たちの中でやらせてもらえる緊張感は、もうすごかったです。
──「毎度──」といえば下ネタが多かったですが、戸惑いは?
藤井 シーズン1を見ていて、そういうドラマだとわかっていましたし。現場は本当に和気あいあいとしていて楽しいんです。
──確かに、同世代の出演者もたくさんいて、まさに青春ですね。
藤井 そのあとに主演ドラマ「夏・体験物語2」(TBS系、86年)をやらせてもらいましたが、主題歌がデビュー曲の「チェック・ポイント」で、さらに思いは深いですね。同期デビューのアイドル歌手の子たち‥‥志村香ちゃんに芹沢直美ちゃん、網浜直子ちゃんたちとドラマ現場でも歌の収録でも一緒で、学校のような楽しさでした。当時、学校に行けなかったので、あそこが私にとっても学校だったんですよ。