この、上司と部下の連続自殺について当初、県警は〈プライバシーのことでコメントは差し控える〉と、自殺の原因について説明の場を設けなかった。
県警詰め記者が言う。
「さらにH警視が車内に残した〈T君、最後まで寄り添うことができず、申し訳ありませんでした〉という遺書の一部内容が報じられた。部下が自殺したことは確かに上司にとって悲劇だが、何も死ななくてもいいはずだし、『寄り添う』という言葉も意味深。後追い自殺するほど2人は強い絆で結ばれていたのですから、ボーイズ・ラブ(BL)に近い関係にあったのでは、とまで噂されたんですよ。それを受けてか、県警は『誤解があっては困るのでプライバシーを侵さない程度で』と、一転、5月1日夕方になって、捜査2課でパワハラ問題があったことを説明し始めたんです」
その後、H警視の遺書には〈2課の皆様、最後まで支えることができず、申し訳ありませんでした〉との言葉があったことが判明。
「昨年3月の赴任当初はH警視の助言を聞いていたS課長が、しだいに言うことを聞かなくなり、警視が悩んでいたことも県警の調査で明らかになりました」(前出・記者)
ある捜査関係者が話す。
「警察社会は上が一度『白』と言えば下は白一色に染まる社会。H警視はT警部を個人的にかわいがっていたかもしれませんが、課長がダメ出しすれば、一切抗議できず、結果的に部下を見殺しにした。それに対する自責の念は相当あったんでしょう」