タイ・バンコクのマンションで身元不明の乳幼児9人が保護されたことに端を発する大騒動。子供たちは24歳の日本人資産家男性が代理出産で産ませたというが、その数は日に日に増え、20人以上とまで報道されている。男性の目的は何か。取材を進めると、まるで金のために人間を「養殖」しているかのような異様な動機が浮かび上がってきた──。
「数日前に、部長クラスが一堂に会する社内ミーティングがあったのですが、その席で上長から『タイでの日本人男性の代理出産による問題は、あくまで創業者のご子息の個人的な問題であり、我が社とは何ら関係のないこと。よけいな発言などは慎むように』と通達がありました」
そう明かすのは、東京都内に本社を構える有名IT企業「X」社の経営幹部の一人だ。さらに続けて言う。
「ウチの会社は、強引な営業や水増し契約などが問題視されてブラック企業の代名詞のような存在でしたが、最近は人気女性タレントを広告塔にした保険会社を立ち上げるなど、イメージアップも図ってきました。それなのに、今回の一件でイメージダウンは必至。現場のモチベーションは、相当下がっていますよ」
──大勢の赤ん坊の泣き声を不審に思ったマンション住民の通報で明るみに出た、タイを舞台にした前代未聞の代理出産騒動。
乳幼児の父親であると主張している投資家の日本人男性A氏(24)は、問題発覚直後にタイ警察から、代理出産で乳幼児を数多くもうけた事情について、説明するよう出頭要請を受けた。が、その直後に、プライベートジェット機でタイから脱出し、行方をくらませた。