10月20日、大阪市役所には多くの報道陣が集まった。橋下徹大阪市長が、「在日特権を許さない市民の会」の桜井誠会長を呼び出し、公開討論会に及んだからだ。平行線のままつかみ合い寸前までヒートアップした両者のバトルはわずか10分で終了。醜悪な結果を現役裏組織の人物がおんどりゃ~っとジャッジした!
「僕の意見を聞くんじゃなくて‥‥」
「いや、アンタが言いだしたことやろ!」
「『アンタ』じゃねえだろ」
「オマエでいいのか、じゃあ?」
この会話は、中学生の口ゲンカではない。れっきとした大人の「公開討論」の冒頭の一幕である。
冒頭、「僕」と発言したのは、橋下徹大阪市長(45)。カマしにいったのは桜井誠「在日特権を許さない市民の会」(通称「在特会」)会長(42)だ。まずは「在特会」の目的を、同会サイトに掲載された桜井氏の言葉を引用する形で紹介しよう。
〈特権とは何か? と問われれば、何より「特別永住資格」が挙げられます。これは1991年に施行された「入管特例法」を根拠に、旧日本国民であった韓国人や朝鮮人などを対象に与えられた特権です。(略)在日をほかの外国人と平等に扱うことを目指すことが在特会の究極的な目標〉
この主張を伝えようと全国でデモを行う在特会だが、デモの過激な発言は「ヘイトスピーチ」と呼ばれるようになった。大阪でのデモをストップさせようと、橋下氏は桜井氏を市役所に呼び出して「ヘイトスピーチ」についての公開討論を行おうとしたのだ。