まず第1に、「我が家だけでも被害をまぬがれる」には、水と食料品の備蓄は必須ということだ。米やパスタ、缶詰はもとより、レトルトや乾燥食材など最低1週間分は用意したい。
「火山性微動から噴火まで2週間ほど猶予があります。しかし兆候があってから買いに走るのでは遅い。店には長蛇の列ができて手に入らないかもしれない。水と食料は今から買いそろえておくべきです」(山村氏)
そして、何といっても深刻なのは電力である。
東京湾岸に点在する火力発電所のタービンも、火山灰で詰まって稼働しなくなる可能性が高い。さらに灰は電気をショートさせ漏電事故を起こし、変電所や発電所、送電設備に重大なトラブルを生じさせる。桜島ではわずか1センチの降灰で停電が発生している。都市機能の維持に必要な電力がブラックアウトすれば、あらゆるライフラインが危機的状況に瀕する。3・11後の計画停電どころではない悪夢の状況が、首都圏を襲うのだ。