「リセットして、私が立ち上げる」
そう小池百合子東京都知事が結党宣言してから2カ月──。玉木雄一郎新体制の執行部発足と同時に、共同代表を辞任。11月24日には、ついに希望の党のHPから小池氏の顔が消えた。
背景には小池氏、党の双方に一致した思惑があった。希望の党幹部が明かす。
「世論に小池さんへの逆風があることを意識した対応です。小池さんサイドも、そうしたほうがいいと伝えてきたと聞いている」
いわば、「再リセット」だ。総選挙前、民進党との合流を巡り、小池氏は「排除発言」をして、有権者の反発を招き大敗。影響は長引き、東京都の葛飾区議会議員選挙で小池氏率いる都民ファーストの会公認候補は1人しか当選しないという事態に。お膝元である東京での支持率低下が表面化していたのだ。共同代表辞任は、小池氏自身が「もはや国政どころではなくなった」と判断したと見られている。
しかも、野田佳彦前首相が希望の党の細野豪志から「上からの指示で」と言われたことをブログで公表。民進党の三権の長経験者を受け入れなかったことへの謝罪であった。「上」とは小池氏を指しており、永田町での逆風も吹きやまない。
しかし、希望の党の迷走は小池氏の言動だけが原因なのか。小池氏を支えて新党の準備を担い、選挙で落選した若狭勝・前衆議院議員は私にこう話している。
「小池発言などいろいろ言われるが、とにかく時間がなかったことが全てです」
そう言うと、タブレットで文書を見せてくれた。それは、希望の党への参加希望者との面談時に使ったチェックリストだった。