SUPER GTの激闘の裏では!? Modulo Nakajima Racingのピットに密着取材
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SUPER GT/GT500クラスに参戦する64号車「Modulo NSX-GT」

 以前「レーシングチームはレース以外の時、何をしているのか?」という内容で、元F1ドライバーの中嶋 悟さんが代表を務めるNAKAJIMA RACING(中嶋企画)のファクトリーをご紹介しました(HondaのRQがNSXに乗って中嶋 悟率いるNAKAJIMA RACINGに挨拶にいった)。


 今回はその続編として、5月3~4日に富士スピードウェイで開催されたSUPER GT 第2戦の「Modulo Nakajima Racing」のピットにお邪魔し、チームはレース中にどのような動きをしているのか? をリポートしたいと思います。日本で最も人気のある、そして注目度の高いモータースポーツ・SUPER GTのピットの中は、はたしてどういう場所なのでしょう?


元F1ドライバー・中嶋 悟氏率いる
Modulo Nakajima Racingのピットに潜入!

 レース中の様子をご紹介する前に、Modulo Nakajima Racingのマシンと主な関係者をご紹介しましょう。


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ピットで作業を受けている64号車「Modulo NSX-GT」

 マシンはGT500クラスに参戦する64号車「Modulo NSX-GT」。NSX-GTは、スーパースポーツモデル「NSX」をベースに、SUPER GTシリーズ/GT500クラスの規定に合致させた、国内最高峰のカテゴリーで戦うためだけに生まれた1台です。エンジンはレース専用に開発した2リットル直4ターボ型で、フロントにミッドマウント。なお、市販車のNSXはミッドシップですが、このNSX-GTはFRと駆動方式が変更されています。そして最高出力は550馬力を超えるモンスターマシンです。ちなみに普通車のFITを1周4.5kmの富士スピードウェイで走行すると2分7秒くらいかかるのですが、NSX-GTはわずか1分26秒前後で周回します。市販レーシングカーであるGT3車両が1分35秒前後で周回しますから、約10秒近く速いことになります。


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64号車のステアリングを握る伊沢拓也選手(左)・大津弘樹選手(右)

 このマシンに乗るのは伊沢拓也選手・大津弘樹選手の両名。レースの途中で交代しながらゴールを目指します。伊沢選手と大津選手のコンビは今年で3年目。息もピッタリです。


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今年2月、鈴鹿サーキットで開催されたHonda Racing Thanks Day内のカート大会。2輪ライダーと4輪ドライバーがチームとなって優勝を目指しました
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NAKAJIMA RACINGの2人が1-2フィニッシュを達成!

 今年2月に行なわれたHonda Racing Thanks Dayでプロドライバーによるカート大会があったのですが、2人は並みいる強豪を抑えて1-2フィニッシュを決めていました。その腕前は確かなものです!


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Modulo Nakajima Racingを率いる中嶋 悟総監督

 チームの総監督はNAKAJIMA RACINGのオーナーでもある中嶋 悟さん。日人初のフルタイムF1ドライバーであり、モータースポーツ界のレジェンドです。


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本間勝久監督

 中嶋総監督からの話を受けて、チームの頭脳であるエンジニアとチームの手足といえるメカニックに指示を出すのは、中嶋企画専務取締役で御殿場ファクトリー工場長、そしてチーム監督である本間勝久さん。本間さんはチーム運営だけでなくSUPER GTの運営団体GTAとの折衝も担当されています。ちなみにレース後「今回はGTAからの呼び出しがなかったのが何より」と安堵の表情を浮かべられていました。


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エンジニアの方々。一番右が浜島裕英さん

 エンジニアは4名。マシンに取り付けたセンサーをもとに、最適なセットアップやレース戦略を提案するチームの頭脳です。その中には、ブリヂストンでF1のタイヤ開発に従事し、その後フェラーリF1などで活躍した浜島裕英さんの姿と、加藤トラックエンジニアや以前のファクトリー取材でお見掛けしたデータエンジニアの姿もそこにはありました。残念ながら作業スペースおよび作業中の様子の写真掲載は、機密漏洩の観点からNGとのこと。


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メカニックと話をする浅見さん(写真右)

 マシンを整備したりセットアップするメカニックは9名。NAKAJIMA RACINGの場合、普段からSUPER GTマシンに関わるのは5名なのですが、レースウィーク時は人手が足りないため、普段はSUPER FORMULAを担当されている3名が助っ人として参加しています。チーフメカニックの浅見さんのもと、見事な連携をみせます。そのほか、サポートスタッフもいらっしゃり、チームはかなりの大所帯。さすが日本で最も注目されているカテゴリーです。


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レースクイーンのおふたり。左が結城みいさん、右が新 唯さん

 チームに華を添えるレースクイーンは2名。左が結城みいさん、右が新 唯(あらた・ゆい)さんです。


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KENWOODレディの結城みいさん

 結城みいさんは、2020年からJVCケンウッドのレースクイーン「KENWOODレディ」としてチームに関わっていらっしゃるベテランさん。ちなみに2017年には3代目Moduloスマイルとして、このチームを応援されていました。ちなみに首にかけていらっしゃるのは、KENWOODのウェアラブルスピーカーだそうです。


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Moduloスマイルの新 唯さん

 新 唯さんは、今年Moduloスマイルに就任した、モデルであり女優であり、最近では週刊プレイボーイ誌でグラビアデビューをはたされた方。実は昨年からASCII.jpの自動車レビュー記事にも出演をお願いしておりまして、今回NAKAJIMA RACINGの取材をすることにしたのも、彼女がレースクイーンを務めているから、というのが大きな理由だったりします。2人はチームマネージャーの方とは別の、通称コントローラーと呼ばれる方の指示で動いており、常にピット内にいるわけではなく、別の場所で待機しています。


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レース中のサインガードの様子。黄色い服を着ているのが、ダンロップのタイヤエンジニア

 ピットにはそのほか、タイヤメーカーであるダンロップ、車両のエンジンを担当するエンジンメーカーのスタッフが常駐。1台のマシンを走らせるのに、これだけの人数が関わっているのか、と驚くほかありません。今回はメカニックの方の様子とレースクイーンに絞って、時系列でレースウィーク中の様子をご紹介したいと思います。


レースの朝は早い……
ピットは早朝からフル稼働

 お邪魔したのは5月3日の予選日と翌4日の決勝日の2日間。ちなみに設営は前日に終わっており、その後占有走行などが行なわれていました。


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NAKAJIMA RACINGの朝はラジオ体操から始まります

 クルマ業界は基本的に朝が早いのですが、モータースポーツも例に漏れず。7時30分頃からは動き始めていました。NAKAJIMA RACINGの朝の日課はラジオ体操で、スタッフ全員が一緒になって体を動かします。これはレースイベント時のお決まり事なのだとか。


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ピットの様子。マシンが置かれているのはピットロード側、途中に仕切りが設けられ、その後ろにエンジニアたちの作業スペースがあります

 ピットの中は、チームメンバーによってパーテーションが組み立てられ、大きく前後2つのブースに分かれています。マシンの背後に写るスポンサーロゴの壁の反対側にエンジニアたちの机が並びます。主な部品はトランスポーターの中、もしくはマシンの向かって左手側に置いてありました。


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マシンがない時のピットの様子。想像以上にモノがないことに驚き

 ピット内のマシンが置かれているスペースは後方にはツールボックスが置かれている程度で、常に綺麗に片づけられていました。作業で使うツールは、小さなワゴンの上に置かれ、作業が終わるたびにツールボックスに戻されていました。


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ゴミはキチンと分別されていました

 これはファクトリーでも感じていたのですが、驚くのは床面にゴミがないこと! 作業が終わるたびにメカニックが清掃をしているのです。ゴミもキチンと分別され、油とホコリまみれの男の職場を想像していただけに、写真映えしないなぁと筆者は内心思いました。素晴らしいことですが。


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公式練習前のピットの様子。メカニックは全員耐火服を着用しています
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マシンは何度か出入りし、そのつどピット練習をするメカニック

 ラジオ体操が終わると、9時から始まる予選前最後の公式練習に向けて準備が始まります。メカニックは耐火服とヘルメットを着用し、ピット内はピリピリムードで、メカニックたちはマシンの最終確認をした後、コースに送り出します。公式練習は10時25分までの約1時間30分。その後、GT500クラスの占有走行とFCYテストが各10分行なわれ、11時5分までクルマは出たり入ったり。マシンが走っている間、メカニックはモニターを見つめたり、ピット練習の準備をしたり。エンジニアさんは常にPC画面にくぎ付け状態。そしてタブレット端末やノートPCを持っては右へ左へ……。本間監督はその様子を静かに見守ります。


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ステージでチームをPRする新 唯さんと結城みいさん。(写真提供:みやびの焼き芋屋さん@yakiimo382)

 マシンの快音がサーキットに響いている頃、レースクイーンの2人はメインスタンド裏のスポンサーステージでチームをアピール。セリフは事前に練習しており、実に流暢そのもの。唯さんは新作Tシャツを着て「一緒に応援しましょう」とステージを盛り上げます。いつもでしたら歩いてピットまで戻ったり、出展ブースに立ち寄るのですが、この日はクルマでピット近くまで移動し、そしてクルマで戻ります。これはコロナウイルス感染拡大防止の観点から、一般客と関係者を完全に隔離しているため。彼女たちも含め、レース関係者は全員検査を受けており取材陣も例外ではありません。SUPER GTでは、かなり厳格・厳重なコロナ対策がなされているのです。


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エンジニアと話をする浅見さん(左)

 公式練習が終わると、チーム内のあちらこちらで会議が始まります。この日は想定していたより気温が低く、タイヤが動作温度にまで達しづらい状況。ドライバーのインプレッションとエンジニアの見解をもとに、チームは予選までにセッティング変更を決断します。ちなみに走行後のタイヤ表面の写真掲載もNGなのです。


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ピットウォークの前にマシンの汚れをふき取り、ピット内を清掃するメカニック

 セッティング変更の前に、チームはファンイベントのひとつである「ピットウォーク」の準備にとりかかります。メカニックは一旦作業を中断し、フロントのエンジンフードを取り付けて、ボディについた汚れをふき取って床掃除。


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専用のボックスから支柱を取り出すスタッフ
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ピットウォークやグリッドウォークで必要な機材が一式詰まっています
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ピットウォークの準備が整いました

 ピットロード上では仕切りのパーテションの設置作業が行なわれていました。ほかのチームではポールをフレームラックのようなワゴンに載せて運んでいたのですが、NAKAJIMA RACINGでは専用のボックスに収められていました。中をみせてもらったところ、パラソルや日よけのシートなど、スタート前のグリッドで使う一式も。専用ボックスのタイヤにダンロップのロゴが入るなど芸の細かさも見逃せません。長年レース活動をしているがゆえに、ピットウォークとグリッドウォークの荷物で使うモノをまとめて運べばラクということで、このようなものを作られたのでしょう。


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いざ戦いの舞台へ向かう2人
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ピットウォーク中の2人
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一般の方から、かなり距離を取っての撮影対応
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写真撮影の様子(写真提供:みやびの焼き芋屋さん@yakiimo382)

 ステージイベントから戻ってきたレースクイーンの2人はメインストレートへ。ピットウォーク中、メインストレートでは撮影会が行なわれます。向けられたカメラの砲列のひとつひとつに目線を送る2人。40分にわたり、さまざまなポーズをしながら笑顔で居続けるのは、かなり大変なことです。ここでもソーシャルディスタンスの関係で、彼女たちとファンはかなり距離が離れての撮影対応になっています。


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ピットウォーク中のピットロードの様子
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ピットウォーク中のドライバーのお二人

 ピットロード側ではドライバーの2人はピット前でファンの撮影対応。コロナ前はドライバーと気軽に話ができる時間だったのですが、今はソーシャルディスタンスのため、かなり距離が開いており、会話はできません。また、以前はチーム関係者がノベルティを配布されていたのですが、それも現在はありません。早く以前のように、気軽にサインがお願いできる環境に戻ってほしいものです。


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ホンダアクセスの公式Twitterに投稿する唯さん

 ピットウォークが終われば、レースクイーンの2人は、ようやくひと休み。と思いきや、唯さんはスマホを取り出して、なにやら入力。というのもレースウィーク中、彼女はホンダアクセスの公式Twitterアカウントでレポートをする業務があるのです。文章を書いて、コントローラーさんがチェックをしたものを送信します。


 一方、食事を終えたメカニックは14時に始まる予選に向けてセッティングを変更。ドライバーとエンジニアが導き出した要件に対して調整を進めていきます。作業は1時間で終了。


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Q1走行中の64号車「Modulo NSX-GT」。ドライバーは大津選手

 予選は15台が出走し、まずは上位8台に絞るQ1が行なわれます。大津選手がアタックをしますが、タイヤのウォームアップに苦しみ13番手どまり。大津選手によると「フリー走行の時からタイヤのウォームアップに対して厳しい感触があったのですが、予選開始時間にはさらに少し気温が下がり、アタックラップでもまだタイヤが温まり切っていない状況でした。そのなかでベストを尽くしてプッシュしましたが、Q1突破ができず残念です。450kmレースなので、周りも様々な作戦をとってくると思います。後方からのスタートになりますが、コンディションや状況に合わせてうまく戦い、ポイント獲得を目指して頑張ります」とのこと。このコメントをまとめるのも、チームマネージャーのお仕事だったりします。


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健闘するも予選13番手で終了

 チームは予選結果を踏まえて、再度セッティング変更を決断。


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変更した箇所を細かく記録する浅見さん

 浅見さんは、変更した箇所などを細かく記録しながら作業を進めていました。チームスタッフがピットを出たのは夜7時30分ごろ。通常レースウィーク中はホテルで宿泊するそうですが、富士スピードウェイの場合は、自宅に帰る方が多いとのこと。浅見さんも「スタッフに今日は早く帰って、明日に備えるように、と伝えました」と笑顔で言い残し、サーキットを後にしました。ちなみに予選でマシンがクラッシュした場合、徹夜作業になることもあるそうです。


決勝レースが始まるまでは
時間との戦い

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カウルを立てて作業をしている様子

 決勝日の朝はサスペンションのセッティング変更が始まりました。SUPER GTの場合、写真のようにカウルが立てかけられている状態を目にすることが多いと思います。ピットウォーク中に、このような状態を見たら「足回りかエンジンに手を入れている途中」と考えて間違いなさそうです。


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ピットウォーク中の様子
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ピットウォーク前、再度マシンを綺麗にするメカニック

 決勝日のピットウォークは朝10時。本当にクルマ業界の朝は早いです。レースクイーン、ドライバーは、それぞれファン対応をされている間、チームメカニックは、ギリギリまで作業を、そしてエンジンカウルを閉じてマシンを綺麗にします。


 一方、チームスタッフは色々な方が出入りすること、そして時間的に早いことから、メカニックはお昼を食べずいったん休憩。


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中嶋総監督と浜島さんが難しい表情でダンロップのエンジニアとミーティング
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中嶋総監督が去った後、今度はドライバーの2人が話し合いに参加

 と思いきや、ピットウォーク終盤、チーム内ではダンロップのエンジニアとドライバー、そして中嶋監督といった首脳陣による深刻な顔の話し合いが行なわれていました。和やかと思っていたのは、筆者だけだったようです。こうしてピットウォークの時間は終了。


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Tシャツを着てマシンと撮影する唯さん
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Tシャツの背中もバッチリ撮影

 ピットウォークから戻ってきた唯さんは、急ぎTシャツを着てスマホで撮影。これはSNSで掲載するためのもの。この時撮影されていた写真は、彼女のアカウントで見ることができます。


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カウルが開いている時、マシンには2本の棒が取り付けられていることが多いのです
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棒と床(厳密に言えば違うのですが)との距離を測定して、車高を調整していきます

 ピットウォークと唯さんのTシャツ撮影が終わった頃、メカニックによるサスペンションの交換作業が始まりました。大抵前後に2本の棒が取り付けられています。これは床面と棒の高さで車高を見るためのもの。浅見さんは他のメカニックに指示を出したり、みずからダンパーのスプリングを変更していきます。車両はパーツごとに担当を決めているそうで、足回りは浅見さんの担当なのだそう。大忙しです。


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幾度となく調整をし、測り、そして調整を繰り返していきます
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マシンのセッティングをする浅見さん

 作業はサスペンションを組み立てる人、サスペンションを取り付ける人、その後マシンを揺らす人、高さを測る人、とメカニックチームの見事な連携で進められます。浅見さんが調整しては、他の人がマシン全体を揺らし、違う人が高さを計測。浅見さんがメモをとって、またいじる、を繰り返します。その間、特に指示出しなどはなく、あうんの呼吸で作業が進められていきます。残された作業可能時間を確認しながら、幾度となく作業を繰り返す浅見さん。


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ドライバーアピアランスが終わり、他チームと談笑をするドライバーの2人

 お昼前、ドライバーアピアランスとよばれるドライバー紹介の時間が終わると、ドライバーは他チームのドライバーと会話。レースクイーンの2人は、日光でドライバーの体力が消耗しないよう日陰をつくるために傘を差します。


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ウォームアップ走行前の様子
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ドライバーがピットに戻ったときに飲むドリンク

 13時。マシンの調整作業は終えたメカニックは、耐火スーツ姿に着替えてヘルメットを着用し、ウォームアップ走行の時を待ちます。エンジンに火が入りピット内にエンジン音が響き渡ると、あまりの爆音に、耳をふさぎたくなるほど。気づけばドライバーが戻ってきた時に飲むドリンクの用意もされていました。


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ドライバーを迎え入れ、準備万端
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ウォームアップ走行中のModulo NSX-GT

 ドライバーがマシンに乗り込みコースイン。マシンにとって、この日、初めての走行です。メカニックたちの調整は功を奏するのでしょうか? メカニックはかたずを飲んでマシンの帰りを待ちます。


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ウォームアップ走行後、またしても会議が……

 ウォームアップ走行が終わりチームにマシンが戻ってくると、ドライバーと中嶋監督、浜島さんが何やら会議。その後、エンジニアや本間監督も加わって大会議へ発展します。


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マシンをグリッドへ送り出すメカニックたち
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スターティンググリッドで独りマシンを待つ唯さん

 スタートドライバーの伊沢選手がマシンに乗り込み、唯さんが待つグリッドへ向かいます。この時間帯、グリッドボードを持つレースクイーン以外、誰もコースに立ち入ることができません。30分以上、チームから離れ独りぼっちの唯さん。コースでたたずむ姿は、まるで漁に出た夫の帰りを待つ妻のようです。マシンが自分が待っているグリッドの元にやってくる光景をみることができるのは、選ばれたレースクイーンのみの特権。プレスはもちろん、メカニックでさえ、この光景を体験することはできないのです。


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マシンが出た後、メカニック達は工具などを持ってピットレーンへ
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一斉にメインストレートへ向かうチームスタッフ

 マシンを送り出した後、スタッフ全員がタイヤやら何やらの荷物を持ってグリッドへ向かいます。その間、ピットロードはラッシュ時の駅ホームのような混雑ぶり。全車両がグリッドにつき、エンジンが止まってから、一斉にメカニックがコースインします。


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メインスタンドには多くのファンが今か今かとスタートの時を待ちます

 この日の富士スピードウェイには4万4000人のファンが詰めかけました。GW中ということもあり、SUPER GTシリーズでも最も観客動員数の多い大会です。それはすなわち、F1を除いて1年で最も観客動員の多いモータースポーツイベントということになります。


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グリッドに立つ唯さん
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アップで1枚。目がドヤっています

 そんな注目度の高いイベントということもあって、グリッドボードを持つ唯さんはちょっとドヤ顔気味。


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グリッドに停車した64号車のModulo NSX-GT
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サスペンションを調整するメカニックたち
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運転席側から調整等をする浅見さん

 一方、メカニックたちは、いきなりリアのカウルを外して作業を始めるではありませんか。なんとグリッド上でサスペンションのセッティングの微調整! グリッドで作業できる時間は30分ほど。はたして間に合うのでしょうか?


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フロントカウルも開けて作業

 作業は、フロント側も実施。作業はあっという間に終了。そのチームワークと作業の速さにはただただ唖然とするばかりです。そしてドライバーが乗る準備などもメカニックの仕事。随所に心憎い気配りをされていました。


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ドライバーがマシンに乗り込む際、シューズの裏のゴミを取るためのマット

 そのひとつが、ドライバーが乗り込む際に、シューズの裏についたゴミや水をふき取るためのカーペット。繊細なペダルワークをする上で重要なことです。ちなみに雨の日は、このカーペットが濡れないようにする工夫がなされています。他にもグリッドウォークでは様々な工夫をみることができます。現在、SUPER GTでは一般の方のグリッドウォークはできませんが、解禁されたら一度足を運ばれることをオススメします。


大波乱が巻き起こった決勝

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左から本間監督、加藤トラックエンジニア、大津選手、中嶋総監督
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レースが始まるのを待つ中嶋総監督

 今回のレースは富士スピードウェイを100周、450kmで争われます。給油のためのピットインが2回義務づけられており、100周のどこで給油し、タイヤを交換するかが勝負のポイントといえます。エンジニアは過去のデータから、最も速くゴールにたどり着く算段を考えるとともに、レース中は常にガソリン残量をチェックし続けます。そこから得たピットタイミングで、メカニックは給油とタイヤ交換を実施するというわけです。もちろん、レース展開によっては、それが早まることも十分考えられます。グリッドから戻ってきた中嶋総監督、ドライバーの大津選手、本間監督は、エンジニアたちと打ち合わせ。


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スタート時、1台のモニターに全員の視線が集まります
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富士スピードウェイに常設されているモニター。左がラップタイム、右が位置を表示している

 レース開始直前、ピット内にいる全員が1台のモニターに注目します。ピット内に設けられたモニターは主に3種類。チームが持ち込んでいる大型の液晶ディスプレーには、放送画面とラップタイムが映し出されます。天井からは富士スピードウェイが常設しているモニターには、ラップタイムのモニターと車両の位置情報が表示されていました。ちなみにリモコンで好きな画面に切り替えることもできます。


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手を合わせてスタートの無事を祈るレースクイーン
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画面を凝視する大津選手。その隣で静観する本間監督

 中嶋総監督とエンジニアはサインガードに用意されたシートへ。本間さんはピット内で運命の時を待ちます。ドライバーの大津選手はモニターの正面で腕を組んだまま微動だにせず、レースクイーンの二人は少し後ろで、手を合わせてマシンの無事を祈ります。メカニックたちはヘルメットをしたまま、画面を見つめていました。


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損傷個所をみようとするメカニック。微動だにしない大津選手

 スタートの後、マシンは1コーナーへ。しかし1コーナーで64号車は後続のマシンと接触し、順位は最下位へと転落。その瞬間、ピット内には悲鳴に似た声がピットに響き渡ります。レースクイーンの2人とコントローラー、ダンロップをはじめとするNAKAJIMA RACING以外のエンジニアは、メカニックの邪魔にならないようモニターの前から離れます。メカニックたちが損傷個所を特定しようと画面を凝視。


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ピットウォールでマシンの損傷箇所を確認するメカニック

 メカニックはピットウォールへ向かい、走るマシンを見て損傷箇所をみつけようとします。本間監督もピットウォールへ。メカニック達はピットに入ってくることを想定し準備を進めます。


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チェアが用意されるも、誰一人座ることなく戦況を見守ります

 ドライバーの伊沢選手から無線で走行に問題がないことが伝えられると、チームには安堵の空気が流れました。メカニックのひとりが折りたたみのチェアを用意。ですが誰一人座ることなく、モニターを見続けます。


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力走する64号車
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ヘルメットを被り、時を待つ大津選手
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ライバルチームは35周前後にピットインをするが、64号車は37周目でもピットインせず

 100周のレースで2回の給油義務があるということは、単純計算で33周ごとに給油をする必要があります。そしてライバルも30周を過ぎたあたりから続々とピットイン。ですがModulo Nakajima Racingは動かず。ヘルメットを被った大津選手がピットに姿を現したのは35周を過ぎたあたりから。


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ゆっくりと立ち上がり、ピットレーンへ向かう大津選手
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ピット作業を受けるマシン

 ピットは38周目からメカニックたちが慌ただしく動き始めます。そして39周目にタイヤ交換と給油。


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給油ホースに残ったガソリンを取り除いたり、ピットレーンを掃除するメカニック

 タイヤ交換を終え静寂さを取り戻したピットでは、給油担当は次の給油に向けて準備をし、メカニックはピットレーンを掃除。次のピットインに備えます。


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レースは赤旗により中断

 ですが、数周後。GT300クラスのマシンがクラッシュし、そのガードレール補修作業などのため、大津選手に交代してから10周と経たずにレースは赤旗中断。マシンはホームストレートに停車することに。


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首脳陣はピットウォールで作戦を立て直します
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赤旗中断中のピット内の様子。メカニックはただただ待つのみ……

 大津選手はいったんピットに戻って、マシンの様子やタイヤについて中嶋監督やチームスタッフに説明。首脳陣は、次のピットタイミングの計画など、戦略を組み立てなおします。メカニックは座して再開の時を待ちます。


 修繕作業が終わって16時33分にレース再開。ですが10分後の16時42分。今度はメインストレート上でGT500のマシンがクラッシュして再度赤旗によりレースが中断します。しかもこの事故がかなり大きいもので、再開まで時間がかかりそうな雰囲気。


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ガードレールの補修作業を見つめるチームスタッフ
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再開の時を待つメカニックたち

 レースは最大延長18時20分までですが、どう考えても100周を回ることは難しい状況。チームスタッフはピットウォールから作業を見守り、メカニックのうち5名は停車したマシンのそばで再開の時を待ちます。


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中断中のピット内

 30分経っても、レース再開の目途は立たず。そしてエンジニアのひとりから「17時○○分に再開だとしたら、給油なしで走り切れます」との声も聞こえ始めました。メカニックは何があっても対応できる準備をしながらレース再開の時を待ちます。待つのですが、再開の目途が経たないまま、時間だけが過ぎていきます。レース主催者から「18時10分に再開する」「レース後の進行について」の無線指示が流れたころ、他チームは撤収の準備を始めました。


SUPER GTの激闘の裏では!? Modulo Nakajima Racingのピットに密着取材
18時10分を過ぎ、セーフティーカー先導のもとレースは再開
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再開したレースの様子を見守るメカニックたち
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モニターを見つめる関係者
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メインストレート上にマシンを止めて、最後まで残ったファンに手を振る大津選手

 18時10分に再開したレースですが、セーフティーカー先導のまま18時20分を迎えてチェッカー。NAKAJIMA RACINGは11位でフィニッシュしました。ちなみに1位は8号車ARTA NSX-GT、2位に36号車のau TOM'S GR Supra、3位に12号車 カルソニック IMPUL Zが入りました。メインストレート上にマシンを止めた大津選手は、残ったファンに向かって手を振ってあいさつ。そしてピット前でももう一度手を振り、チームに戻ってきました。


 レースを終え、中嶋総監督は「大変なレースで何とも言いようがない感じです。1回目のピットストップを行ない、これから追い上げると思っていたところだったので、自分たちのレースについても言いようがない内容となってしまいました。次戦の鈴鹿がすぐに迫っていることもあり、気持ちを切り替えて臨みたいと思います。長時間になり大変な中だったと思いますが、最後までたくさんのご声援をありがとうございました」とコメント。


 最初のスティントを担当した伊沢選手は「スタート直後の接触で最後尾に下がってしまいましたが、すぐにポジションを取り戻すことができました。その後のペースは、まだ満足するレベルには足りていませんが、大きなグリップダウンがなかったので、そこはポジティブにとらえています。今回のレースは非常に荒れた展開となりました。ポイント獲得に届かず残念でしたが、今後に期待が持てる内容にもなりました。鈴鹿ではさらにいいレースをしたいと思います。長丁場のなか、最後まで応援ありがとうございました」と、今後に手ごたえを感じた様子。


 大津選手は「僕のスティントでは赤旗中断が続き、最後はSC先導での周回だったので、あまりレースをしたという感触はないのですが、伊沢選手のスティントでは、思っていたよりいいパフォーマンスが出せたと感じました。とはいえ、上位陣と比べるとまだまだアベレージを上げないといけないことも分かったレースでした。今回のような長いレース距離の大会はまだあるので、今日の経験を次に活かしていきたいです。次戦の鈴鹿はここ2年間チームとしても相性がいいサーキットです。予選からポールポジションを狙い、決勝も力強く戦っていきたいです。インターバルは短いですが、その中でできる限りの準備をして臨みたいと思います」と語り、サーキットを後にしました。


兵どもが夢のあと……
しかしまだ帰れないのがメカニック

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パーテーションは綺麗に撒かれていきます
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19時にはここまで綺麗に片付いていました。誰1人、手を止めることなく……

 さて。レースが終わり、そのまま帰れるのか、というとそうではありません。撤収が待っています。マシンがメインストレートに停車した頃、メカニックもエンジニアも一斉に撤収作業を始めました。


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トランスポーターにどんどん荷物が運びこまれます

 ピット裏のトランスポーターに荷物がどんどん運び込まれていきます。入れる順番もあるようなのですが、片づけのタイミングと相まって、実にスムースで見事のひとこと。タイヤはすでに外されホイールだけの状態になっており、気づけばダンロップのエンジニアもピットから離れていました。


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撤収作業中の19時頃、私服に着替えたレースクイーンの2名がチームスタッフにごあいさつ。一人ひとりに「お世話になりました」と声をかけて、コントローラーさんと共にピットを後にしました
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長い戦いを終えたマシンが戻ってきました

 撤収作業が終わったのは19時30分前。なんと1時間で作業がほぼすべて終わってしまったのです。ちょうどその頃、マシンは車両保管を終えたとのことで、メカニックたちは引き取りに。もはや何も残っていないようなピットで、最後のチェックを受けていました。ちなみに他チームも見に行ったのですが、半分も片付いていないところがほとんど。NAKAJIMA RACINGの撤収作業、恐るべしです。これもまたチームワークの賜物でしょう。


 撤収作業が終わったところで、浅見さんに2日間の話をうかがいました。「とにかく想定していたより路面温度が低かったですね。でも、普段のレースと、やっていることは、あまり変わらないですね」とのこと。そして「大変なレースになりましたが、そのたびに何が起きても対応できるようにしておくのもメカニックの仕事ですから」と笑いながら1日を振り返られていました。浅見さんは常に笑顔を忘れずに作業をされたり、他のチームスタッフと話をしていたのが印象に残りました。「予選日と決勝日では、決勝日の方が時間に余裕がありますよね、だから今日はそう見えたんじゃないですかね?」と照れ臭そうに笑う浅見さん。とはいえ2日間で4回、大きな変更をこなされていたことには、ただただ驚くしかありません。


 最後に撤収の早さに驚いたことを伝えると「まぁ何回もやっていますからね」と笑いながらも「みんなから早く撤収できる提案をもらいながら、改善できるところは改善しているという感じですね。スタッフには早く帰ってもらって、明日に備えて休んでもらいたいですからね。ですから今日はファクトリーに帰って荷物を下ろすことはしませんが、明日は下ろした後に、マシンのチェックをします」と、GW返上で次に備えるというから驚き。さらに「今回はSUPER FORMULAの担当から3人お手伝いをお願いしました。今度は僕が恩返しをしに行きます」とまで。いつお休みをとられるのでしょう?


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本間監督

 ピット内はピリピリした現場なのかな? と思いきや、実は結構あたたかな印象を受けたNAKAJIMA RACING。その空気を作っているのは本間監督の人柄でしょう。「今日のレースは大変でしたね。2018年以来かなぁ? ここまでのクラッシュは。そのため、レースの途中でルールが変わったりするくらいだからね」と長い1日を振り返りました。そして「うちもそうだけれど、どのチームもタイヤに苦しんでいたよね。で、予選の結果がもう少し上だとよかったんだけれどね。今のGT500クラスは、タイムが拮抗しているから、決勝で順位を上げるのは結構難しいからね」と、肌寒かった予選日の気温にちょっと恨み節も。


 「でも、多くの方がサーキットに訪れ、少しづつコロナ前の状況に戻ってきたのはいいことですよね。ファンの人がサーキットに足を運んできてくれて、そして楽しんでいただくことが大事ですから」と、帰宅するファンの車列を見ながら本間さんは、次戦のことに頭をよぎらせていました。そして最後に本間さんは「暖かくなれば、タイヤもよくなるかもしれないからね。そこは期待したいですね」というと「あと、SUPER FORMULAにも来てよ。面白いよ、あれは」と笑顔で勧誘。ぜひうかがいたいです!


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コクピットで独りスタートの時を待つ伊沢選手。その双肩にはチームの期待と希望が重くのしかかる

 モータースポーツは、どうしてもドライバーの活躍に目がいきがちです。そして監督の采配にも。ですが、それはモータースポーツの一側面でしかありません。表舞台に立つ彼らを支えるのは、表にあまり出ることのない、そして想像を超える人数のチームスタッフたちでした。彼らの連携の良さ、特に声に出して指示がなくても作業が進む姿は、ピット内でもチームスポーツが繰り広げられているといってもよいほど。


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ピットアウトを待つマシン

 もちろん、1台のマシンにこれだけの多くの人の思いが乗っているのかと、あらためて感じたのもいうまでもありません。ドライバーへの重責は相当なものでしょう。こうした思いが乗るからこそ、モータースポーツは人々を感動させ、そして虜にさせるのです。「機械を使う競技であるモータースポーツは、スポーツとは言えない」という方がいまだにいらっしゃいますが、こうした姿はより多くの人に目にしてほしいですね。


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唯さん(2022 Moduloスマイル)

 最後に、唯さんにも話を聞きました。「2回目なのでステージも慣れて、上手に言えたのが本当によかったです(泣)。そして! ピットウォークではたくさんの方がお写真撮ってくださり、本当に楽しかったです! 今大会は“これから追い上げていくぞ”という時に中断があり、11位フィニッシュとなりました。夏にはもう一度、富士スピードウェイで大会があります。ぜひリベンジしてほしいです。次戦は過去好成績を残している鈴鹿サーキットです。ぜひサーキットで私と一緒に64号車Modulo Nakajima Racingを応援しましょう!」。


 SUPER GT2022年シーズンの第3戦は、鈴鹿サーキットで5月28~29日の2日間行なわれます。Modulo Nakajima Racingの活躍に期待しましょう。


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