高級ミニバンというジャンルを切り開いたクルマが、復権と社運をかけて今夏登場します。その名は日産「エルグランド」。
アルファード一強の市場に「オリジネーター」が帰ってくる
エルグランドが誕生したのは1997年のこと。広い車内空間と高い運動性能を有した、高級ミニバンという今までにないジャンルは、人々の注目を集めました。その後、トヨタからはアルファードとヴェルファイア、Hondaからはエリシオンが登場し、高級ミニバン市場は一気に拡がりをみせました。ですが、エリシオンは2013年に国内販売が終了。日産も2002年、2010年とモデルチェンジをしますが、その後音沙汰なし。
気がつけば市場はトヨタのアルファードとヴェルファイア、そして兄弟車であるレクサスLMの独壇場となり、日産もHondaと同じ道を歩むのか? と勝手に思い込んでいました。しかしオリジネーターは、諦めていなかったようで、まさかまさかの大復活。復活どころか、日産の技術を詰め込んだクルマに仕上げられています。
ライバルを凌駕するサイズと「走るエグゼクティブラウンジ」
エクステリアは威風堂々としながらも、どこか近未来的な印象。ボディーサイズは全長4995×全幅1895×全高1975mmと、全長で20mm、全幅で45mm、全高に至っては160mmサイズアップしています。ちなみに、この大きさはアルファードより全幅と全高で上回っています。
インテリアは同社のEV「アリア」のような木調パネルが印象的。シートの質感がかなり上質で、座り心地も適度な弾性があり良好です。さすが高級ミニバンといったところ。満足度はかなり高いです。
60WのUSBポートも完備でノートPCも充電できそう
2列目はキャプテンシートはさすがの出来栄え。まるでファーストクラスのようなシートにはシートヒーター、ベンチレーションのみならず、60W対応のUSB充電ポートまで完備。これは走るエグゼクティブラウンジと言っても過言ではありません。
バックドアを開けて荷室をチェックしましょう。高級ミニバンの荷室は狭いのが一般的ですが、エルグランドはスーツケースが並べて入りそうな余裕があります。3列目は同社のミニバン「セレナ」やライバルのように側面に立てかけるタイプになっています。
バックドアはかなり大きく、後面にスペースを必要としそうです。
シフトモードチェンジはセレナ同様にボタン式。その下にはスマホトレイとUSB Type-Cポートを2つ用意します。
走行モードは多彩に用意。アクセルレスポンスのみならず、サスペンションの減衰力も変化します。
センターディスプレイは驚きの大きさ。Google系のシステムが入っているようで、使い勝手はかなり良好でした。
新開発1.5L e-POWERとe-4ORCEがもたらす極上の乗り心地
パワートレインは第三世代e-POWER。従来より高剛性、小型化を達成しただけでなく、発電用に適したというエンジンを新開発。排気量は1.5Lですので、このサイズで自動車税が年3万500円というから驚きです。しかも、現行エルグランドよりもトルクがあるというからスゴい! シリーズハイブリッド(エンジンを発電のみにつかうシステム)の良さが活きています。
さらに、細かなトルク制御をしてくれるシステム「e-4ORCE」を搭載しており、停止がとても滑らか。カックンブレーキを過去のものとしています。
実際にテストコースで走ってみると、その完成度にただただ感服。ライバルより圧倒的に静かであるばかりか、滑らかな走りに大満足です。
エンジン音は車内に聴こえますが、唸り上げるような音はせず、低い動作音に高級感を覚えます。なにより振動がほとんど車内に伝わらないのはさすが!
スポーツモードにすると、適度に引き締まった足と力強いトルクの立ち上がりが、「走りの日産」の血筋を受け継いでいることを思い起こさせます。オトナの振る舞いでありながら、ゾクゾクっとする瞬間があり、ワインディングでは見た目に反して(失礼)なかなかに面白そう。
試乗時間が限られ、かつテストコースということもあり、果たして一般道ではどうなのか、というのは気になるところですが、高い静粛性と太いトルクは街乗りでもかなり有益であることは間違いなさそうです。やるじゃん、日産!
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