また、最近では、人の心理的な状態を把握する研究も行っています。例えば、スマートフォンやタブレット端末のタッチパネルの押し方や押す力の強さ、スクロール速度などから、使用者が何をしているか、や、アンケートに真剣に答えているかなどを割り出すシステムを開発しました。焦っているときなどは指の動きやタッチの強さに特徴が出ると言います。身につける負荷がかかるウエアラブル機器と違い、入出力を行うタッチパネルをセンサーとして活用するという点で、差別化された技術として期待されています。
ヒューマノフィリックシステム研究室では、産学連携も積極的に行っており、上述した心理状態の推定では、NTTデータ経営研究所など10社の従業員140人を対象とした、ウェアラブルデバイスによる心理状態計測に関する共同研究を進めています。睡眠状態や歩数、心拍といったウェアラブルデバイスから取得できるセンサー値と仕事の成果や心身の健康との関連性を研究しています。