2025年7月17日 グローバルスマート物流企業である ヒョンデ グロービス(Hyundai Glovis)は、海運のIT専門企業ラボオトゥワン(Lab021)と船舶向けデジタルソリューション「Vessellink」の導入契約を締結したと発表した。
今回の契約により、ヒョンデグロービスはLab021が開発した高度な船舶動静報告データシステム「Vessellink for Ship」を、自社の海運運用システムに連携する予定だ。
ヒョンデグロービスはこのソリューション導入を通じて、国際海事機関(IMO)および欧州連合(EU)の環境政策の変化に先手を打つ戦略だ。IMOは現在、温室効果ガス削減に向けた中期的措置(Mid-term Measures)として、海上燃料の炭素強度基準の強化および国際的な炭素価格制度の導入を本格的に議論しており、2027年前後にはグローバルな海運会社に対して実際の削減実施が求められる見通しだ。
EUもまた、2025年から施行されるFuelEU Maritime規則により、欧州港湾に寄港する船舶に対して環境配慮型燃料の使用比率の拡大を求めており、2024年に施行されたEU ETS(炭素排出権の取引制度)は、2026年までに船舶の炭素排出に対する課金比率を100%まで引き上げる予定だ。
ヒョンデグロービスは「Vessellink」ソリューションを活用し、これらの国際規制に忠実に対応すると同時に、ESG(環境・社会・ガバナンス)経営の実行力をさらに強化していく計画だ。特に、船舶単位での正確な排出量トラッキングとリアルタイムのデータに基づく報告体制の確立は、グローバル顧客および規制当局との信頼構築に大きく寄与することが期待されている。
ヒョンデグロービス関係者は「 国際海運業界の環境配慮への転換の流れに合わせ、デジタル基盤のデータ管理の力量を高度化しており、今回のソリューション導入は規制対応と運営効率化を同時に満足できる契機になる」と述べ、「今後はLab021との協力を通じて、より精緻な海運データ基盤プラットフォームを構築していく」と明らかにした。
Lab021のイ・サンボン代表は、「Vessellinkは、精密な船舶運航データと自動化された報告機能を融合させた次世代の海運デジタルソリューションであり、今回のヒョンデグロービスとの協業は、グローバル海運会社との技術協力を拡大するための重要な足掛かりになる」と語った。
この協約は、デジタル技術を基盤とした海運分野の炭素情報の管理ソリューションが実質的な産業に適用の段階に入ったことを意味しており、今後、国内外の海運業界における転換の加速化および環境情報に基づく経営の拡散に寄与することが期待される。