
■タンはなぜ高くなったの?
タンとは舌の肉です。一頭の牛には1本しかタンはなく、重さも1~2キロです。その1本をとってみても、どこも同じ味というわけではなく、美味しいのは根元の太いところだけなのです。つまり人気の割に流通する量が限られています。タンは、もともと高値安定だったのですが、そこにBSE問題が直撃しました。日本で消費されるタンの大部分を頼っていたアメリカからの輸入がなくなり、代替ネタのオーストラリア産はアメリカ産よりも味が落ちる…。悲しい事情が幾重にも重なった結果、ここ数年焼肉屋のタンは価格上昇に見舞われているのです。
■タンで美味しい部分は?
タンの中での部分的差異を見ていくと、美味しいのは太い根元部分です。タンツラ、タンモトと呼ばれることもあります。上タンと並タンを別メニューにしている焼肉店なら、ここが上タンとなります。太い根元は、脂肪部分が多く、柔らかく、脂肪の色で、断面も白っぽくみえます。これが舌先部分に近づくにつれ、細くなり、脂肪が減って筋肉質になるため硬くなり、色も赤くなります。つまり皿に並べられたタンの姿を見るだけで、タンとしてのレベルはある程度把握ができるのです。