最大10連休となる2019年のゴールデンウィーク(GW)も前半戦が終了して5月に突入した。これから家族と共に旅行や外出で自家用車を運転する人も多い中、道案内のカーナビの他、ドライブレコーダーも準備する家庭も多いだろう。
ここ最近、ドライブレコーダーは時速60km以上で運転中に、間違って車線をはみ出た際に警報が鳴る「車線逸脱警告機能」や、トンネルの出入口など明暗差の大きい場面で起こる「白とび」などを明瞭に表現するHDR(ハイ・ダイナミック・レンジ)に代表される画像補正機能付きなど、単に運転状況を記録するカメラという位置づけから、より質の高い動画撮影や運転補助機能を売りにした製品が増えている。

 まず、全国の家電量販店・ECショップなどからPOSデータを収集している「BCNランキング」によれば、車線逸脱警告機能付きドライブレコーダーは、平均単価が1万8600円から2万2100円までのモデルが売れている。平均単価が約1万1000円の非搭載モデルと比べて、値段が高く、中には約2倍のモデルであるにも関わらず、販売比率は2018年3月の20.3%から19年3月に44%と、2倍以上まで増えている。
 また、HDRやWDR(ワイド・ダイナミック・レンジ)などの画像補正機能を搭載したドライブレコーダーは、19年1月だけ71.2%まで下がったが、常に80%以上をキープ。2月には、83.3%まで上昇している。
 画像補正機能の搭載モデルが圧倒的に売れているのは、やはり「どんな状況でも撮影されていなければ困る」というニーズが多いからだろう。
例えば、トンネルを抜けた出入口で先行している車に、急ブレーキを踏まれて追突したが、記録している動画が色補正されず「白とび」によって見にくいまま録画されていたとなったら、折角の記録撮影が意味をなさない。
 ドライブレコーダー協議会が、19年3月にドライブレコーダーのさらなる普及と効果的な活用を目指し、ユーザーが安心して使える仕様要件を明確化した「ドライブレコーダーの推奨ガイドライン」でも、消費者に製品を選んでもらう際の必須表示要件(スペック)として「車両前方の映像を録画するデータについて、ハイダイナミックレンジ(HDR)機能又はワイドダイナミックレンジ(WDR)機能の有無を記載したものであること」と、画像補正機能スペック表記を必須としている。
 協議会側がこの画像補正機能について明文化したのも、それだけ過去のドライブレコーダー保有者の中で、画像補正がなされない動画撮影で苦い思いをしたというケースが多いからではないか。
 最後に、これら車線逸脱警報機能と画像補正機能付きドライブレコーダーの機種を見てみよう。リアカメラが付属している2カメラタイプが比較的単価が高く、下が約2万200円、上が3万2400円となっている。ワンボディタイプだけであれば約1万4000~1万6700円と、価格はぐっと抑えられる。
特に、ワンボディタイプでは5製品中4製品がJVCケンウッド製で人気が高い。
 各ドライブレコーダーメーカーも、ドライバーに安全でメリットの高い製品の開発に余念がない。GW中にドライブレコーダーの購入を検討しているドライバーは、ただ単に記録をするだけの製品ではなく、さまざまな機能にも目を向けて購入を検討するのはいかがだろうか。(BCN・栃木亮範)
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