イヤホン市場において、完全ワイヤレスイヤホンが本格的に注目され始めたのは16年12月。アップルのAirPodsが発売されてからだ。当時参入していたメーカーは10社にも満たなかったが、17年夏以降から急増し、現在では約30社がしのぎを削る。これにより、製品のラインアップ数も増え、さらにはAirPodsの供給も安定したことで、イヤホン市場における販売数量構成比は1年間で、0.5%から10.5%(17年12月)にまで拡大した(図1)。
イヤホン市場はそれまで鳴かず飛ばずの状況が続いていたが、17年3月以降は全体でもプラス域を維持。完全ワイヤレスイヤホンが市場全体を後押ししている状況といってよい。
また、完全ワイヤレスイヤホンの台頭により、イヤホン市場の単価も大きく上昇。完全ワイヤレスイヤホンの直近の平均単価は1万7000円台と高価格であることが影響したことで、2000円台であったイヤホン市場全体の平均単価は、2年間で4000円台と約2倍となった。
上位メーカーの動きをみていくと、アップルがAirPodsを発売した当初からほぼ市場を独占、17年9月には83.7%まで達した(図2)。それ以降は参入が相次いだが、それでも50%前後とシェアは高い。製品別では、AirPodsの1製品だけで現在も46.0%を占めている。