「海に還ったたこ八郎、空に消えた坂本九、佳人薄命の象徴となった夏目雅子。わずか50日間に相次いだ予想外の死」1985(昭和60)年【宝泉薫】



 そう、彼女の武器は美貌だけでなく、エネルギッシュな熱情だった。たとえば、闘病中、立原正秋の小説「春の鐘」が古手川祐子主演で映画化されたことを知ると、自分がやりたかったと悔しがったという。



 立原は朝鮮の血をひく作家で、不倫などの愛憎モノを得意としていた。そして、夏目は私生活において在日韓国人の作家・伊集院静と不倫の末、結婚。いわゆる不義の子を何度も中絶したことも明かされている。そういう愛憎の世界なら自分のほうがリアルに演じられるという自負もあったのだろう。



 とはいえ、そういう人だけに、長生きしていたら薄幸の美女ではなく、魔性の悪女というイメージをふりまいていた可能性もある。不幸にして、伊集院との結婚生活は1年ちょっとで終わったが、彼女が白血病にならなかったら、別のかたちで途切れた気もしなくもないのだ。



 しかし、彼女は夭折した。それゆえ、こんなエピソードも清らかな印象をかもしだす。子役時代「瀬戸内少年野球団」に出演した山内圭哉が明かした話だ。



「ロケでずっと旅館におるんですけど、男湯が1階で女湯が真上やったんですよ。お風呂場で騒いでたら『うるさい』って声が聞こえて、窓をのぞいたら、ハダカの夏目さんが『うるさいよ、あんたたち』って。で、スタッフのお兄ちゃんたちが色めき立って『お前、行って来い』と。洗面器渡されて『お湯、持って帰って来い』と。『子供行かせてもいいですか』『いいよ』って。それで『どうやった?どんなんやった?』ってお兄ちゃんたちに聞かれて、僕は苦しまぎれに『ハート型やった』って言ったら『ほー、ハート型や』って」(「帰れマンデー見っけ隊‼」初回3時間スペシャル」テレビ朝日系)

この記事の画像

「「海に還ったたこ八郎、空に消えた坂本九、佳人薄命の象徴となった夏目雅子。わずか50日間に相次いだ予想外の死」1985(昭和60)年【宝泉薫】」の画像1 「「海に還ったたこ八郎、空に消えた坂本九、佳人薄命の象徴となった夏目雅子。わずか50日間に相次いだ予想外の死」1985(昭和60)年【宝泉薫】」の画像2 「「海に還ったたこ八郎、空に消えた坂本九、佳人薄命の象徴となった夏目雅子。わずか50日間に相次いだ予想外の死」1985(昭和60)年【宝泉薫】」の画像3 「「海に還ったたこ八郎、空に消えた坂本九、佳人薄命の象徴となった夏目雅子。わずか50日間に相次いだ予想外の死」1985(昭和60)年【宝泉薫】」の画像4
編集部おすすめ

当時の記事を読む

BestTimesの記事をもっと見る

トピックス

今日の主要ニュース 国内の主要ニュース 海外の主要ニュース 芸能の主要ニュース スポーツの主要ニュース トレンドの主要ニュース おもしろの主要ニュース コラムの主要ニュース 特集・インタビューの主要ニュース

もっと読む

ライフスタイルニュースランキング

ライフスタイルランキングをもっと見る
お買いものリンク